「YSSのリアサスが気になるけど、耐久性や品質が心配・・・」
という方向けに過酷な耐久テストの結果と、なかなか一般には入手できない話をシェアします。
通常より厳しい環境で使用したら?
YSSリアサスペンションを装着してトータル6年間、3本のテスト走行をおこないました。
製品モデルと距離
・CB125T JC06用 ME302:4年間、18,770km走行
・OD220-270P-04-16:2年間、17,040km走行
かんたんに自己紹介させていただくと、筆者は2017年に有限会社ガレージ湘南とYSSと共同で、CB125T用 YSSリアサスペンションME302の開発に携わり、テストライダーを務めました。
(撮影・販売サイト製作・集客・販売戦略・プロモーション・コンテンツ制作をワンオペで手がけました)
私自身、この時に初めてYSS社のリアサスペンションを使う事になりましたので、耐久性が気になっていました。
「YSS」という名前は聞いたことがあるけど、くわしく知らない状況。
「タイ王国に本社があるらしい」
そのぐらいしか、知識がありませんでした。
ですので販売前のテストはもちろんのこと、販売を開始した後も、継続的に耐久テストをおこなっていました。
5車種のリアサスをリリースしました
※2024年10月現在
・CB125T JC06用 ME302(2019年発売)
・VT250スパーダ用 ME302(2019年発売)
・CBR250RR MC22用 ME302(2020年発売)
・TZR50/TZR50R用 MB302(2024年発売)
・NSR250R MC18用 ME302(2024年発売)
これまで200名以上 250名以上のお客さまに、YSSリアサスペンションを提供してきました。
購入者の方々からのフィードバックを蓄積し、私自身の4年 6年におよぶテストが終了したため、ようやく検証結果をお伝えできるようになりました。
(リアサス分解写真あり)
大事なこと
本題に入る前に、基本的な考え方を共有しておきます。
よく使われる言葉ですが「リアサスの寿命」って、すごくあいまいな表現です。
なので、まずは「具体的にどういう状態がリアサスの寿命なのか?」を明確に定義します。そうしないと、曲解や、誤解を生みかねないからです。
その上で、具体的な事例・解説をしていきます。
せっかく時間を使って記事を読むなら、肝心なポイントを見落したくないですよね。
そうならないために、熟慮した上で記事を構成しています。
バイク リアサスペンションの寿命って?
YSSの推奨は、フロント・リアサスペンションともに
(ストリート走行の場合)「10,000kmから20,000km走行、または2年に1度のオーバーホール(あるいは交換)」
YSSサスペンション取扱説明書より
とされています。
上記のメンテナンスサイクルは、オーリンズやWPなど、ほかの社外サスペンションや、純正サスペンションも基本的に同じです。
純正サスペンションだから特別、長持ちするというわけではないですし、高額なサスペンションだから耐久性も高い・・・というわけではありません。
ただし、上記のメンテナンスサイクルが絶対ではありません。
実際にはバイクや、ライダーの使用環境によって、かなり差があります。
それを踏まえた上で、「だいたい、これぐらいにはメンテナンスしたほうがいいよね」という目安が、上記のメンテナンスサイクルです。
レースで使用した場合の寿命
一般公道ではなく、ロードレースで使用した場合、「20時間走行ごと or 1シーズン」がオーバーホール(または交換)の推奨サイクルになっています。
リアサスペンションは、おおまかにスプリングと、ダンパー(減衰装置)の2つで構成されています。
通常、別体タンクと本体は内部がつながっています(写真左)
黄色はダンパーオイルのイメージ
本物が本体と別体タンクが内部でつながっているのに対して、なんちゃって別体タンクは、内部がつながっていない。ただの飾り。
YSS以外の有名メーカーでも、こういったニセ物が出回っています。
ダンパーオイルの劣化
ダンパー(減衰装置)の中にはサスペンションオイルが入っていて、徐々に劣化していきます。
リアサスをメンテナンスしないまま、乗り続けると、こんな状態になります。
走行距離2万km以上、KTM390アドベンチャーのWPリアサスペンション
オーバーホールしないまま、放置して乗り続けると、最終的にオイルが灰色のペンキ(もしくは墨汁)みたいになる。
KTM300XC WPリアサスペンション 100時間使用後
かなり悲惨な状態です。
こうなると、オイルの粘度が失われて、水みたいにシャバシャバな状態になります。
オリフィス(写真左上 ダンパーオイルの流れをコントロールするための部品)が目づまりしている。
オイルシールなど内部部品の劣化
もちろんダンパーオイルの劣化だけでなく、内部のパーツも消耗します。
とくにオイルシールが劣化すると、ダンパーオイルが漏れてきます。
海外のライダーによると、ハイパープロ製のリアサスでオイル漏れが発生。メーカーに問い合わせたところ「20,000 kmごとにシール交換が必要」と回答があったそうです。
いっぽうで、4万km近く走行してもオイルが漏れないメーカーもあります。
オイルが劣化すると、(エンジンオイルと同じように)粘度が低下して、シャバシャバになります。すると、ダンパー本来の仕事ができなくなります。
・勢いよく縮む
・勢いよく伸びる
路面の凹凸に追従できない状態。
これがリアサスがへたった(抜けた)状態、リアサスの寿命です。
新品サスペンションを100%とした場合、徐々にサスペンションの性能が低下します。
新品時から徐々にサスペンションの役割である「路面追従性」が機能しなくなり、バイクの運動性能が低下していきます。
運動性能が低下するということは、コーナー(カーブ)で曲がりにくくなったり、路面の凹凸でバイクが跳ねたり、物理的な変化が出てきます。
安全・スムーズに走れなくなってくるわけですから、心理的にも怖い思いをしたり、不安を感じたり、ストレスを感じたり、疲労感につながります。
乗っている時に起きる症状の例
・コーナリング中、車体が跳ねて挙動が不安定になる
・コーナーリングで思うように曲がらず、膨らんでしまう
・路面の凹凸や減速帯でバイクが跳ねてしまい、安心して走れない
・高速コーナーや高速道路の継ぎ目で車体がヨレる感じがする
・乗車時にシート高が下がりすぎる
・ダンパー調整(リバウンドアジャスター)してもほとんど効果が感じられない
・腰痛になる
中古車の場合、初心者ライダー、ベテランライダーに関係なく、購入時からダンパーが抜けていても
「こんなものかな」
と思って乗っている人が多いです。
(心理学的な理由はこちらの記事で解説)
見た目(外観)から、リアサスの寿命を判断しやすいのはオイル漏れです。
ただし、先ほど例に挙げたように、目に見える部分が大丈夫そうに見えても、目に見えない部分(内部パーツ)が劣化している場合もあるわけです。
見た目はあくまで判断基準の一つ、と考えたほうがいいでしょう。
オイル漏れしている場合や、ダンパーロッド(スピンドルロッド)に傷や錆がある場合、要メンテナンス時期と判断できます。
メンテナンスサイクルに関わらず、オイル漏れが発生したらオーバーホール or 交換になります。
もし、そのまま乗り続けると、乗り心地が悪くなったり、安全面で危険なほか、内部パーツの劣化が激しくなり、結果的にオーバーホール費用が高額になります。
中古品のリアサスは高い買い物
ここまで読んでくれた方は理解したと思いますが、
外見(見た目)は良さそうでも、分解すると・・・・!? というのは、エンジンだけじゃなく、サスペンションも同じ。純正・社外品を問わず、「状態の良い中古品」は期待できない、という事です。
ちなみに海外のサスペンション メンテナンスショップも、私と同じことを注意喚起していました。
リアサス交換前と交換後の比較動画
乗車した時の動作の比較です。
(お客さまご提供)
TZR50R MB302
リアサスペンションのオーバーホール
一般的にオイルシールなどの交換や、ダンパーオイル交換をおこないます。
多くの方がご存じないようですが、注意すべき点もいくつかあります。
サスペンションの寿命
サスペンションは「スプリング」と「ダンパー」で構成されていて、ダンパーが先に寿命を迎えます(要メンテナンスの状態)。
スプリングも縮みますが、一般的には「サスの寿命=ダンパーや、オイルシールの寿命」と理解していいでしょう。
実験したサスペンション
ここからが本題。
テストをおこなったのはモデルME302、非分解式のリアサスペンション。
イニシャル(プリロード)調整機能のみの、シンプルなエントリーモデル。CB125T用のイニシャル調整機能付きサスペンションとしては世界初です。
アルミボディの中では比較的、リーズナブルなME302シリーズ。
走行距離
1本目(試作品):3,576km
2本目:15,194km
仕様の異なるリアサスを2本テスト。
36,623km走行した純正サスペンションは、当然ながら抜けきっていました。
テストをおこなったバイク
HONDA CB125T改 2001年式(142cc化して軽二輪登録済み)
エンジン:空冷4サイクルOHC2バルブ2気筒
排気量:124cc
最高出力:15PS/11,000rpm
最大トルク:1.0kg-m/8,000rpm
車両重量:139kg
変速機:5速リターン
型式:CB125T 1
車体番号:JC06-1600001~
https://inuiyasutaka.net/bikeblog/series-spec/
過酷な条件
市街地、バイパス、高速道路、峠道、未舗装路など、公道で考えられるすべてのシチュエーションを、オールシーズン走行。
最低走行時間を2時間以上とし、とくに熱的にサスペンションに厳しい夏場は、あえて長時間の連続走行をおこなった。ダンパーオイルの油温をめいっぱい上昇させ、過酷な状況をつくることで、通常よりハードな負荷を与えるためだ。
多いときは、これを朝から夕方まで一週間、毎日おこなった。
加えて、10kg以上の重りを積んで走行したり、通常の走行なら避ける路面のギャップを、あえて通過するようにしていた。
(わざわざギャップのある箇所をめがけて走った)
サイトでくわしく話しているが、人間にとっても、この上なく過酷なテストだった。
リアサスペンションを分解
テストで使用した2本目(15,194km)のリアサスを、同製品の販売元である有限会社ガレージ湘南 日向社長に分解していただいた。
本来、非分解式のものを検証のために強引に分解している。
そのため金属片がついていたり、部品が一部、壊れているが、ご容赦願いたい。
メッキが施されたダンパー(減衰装置)ダンパーロッドはきれいなまま。オイル滲みもなかった。
あとでくわしくお伝えするが、劣悪な環境で放置していたにもかかわらず、少しもメッキにサビが発生していないのは優秀だと思う。
写真左の穴は窒素ガスを注入するところ。写真右は内側から撮影したものだ。
内部の壁面も大きな損傷は見られなかった。
写真はダンパーの中の部品を上からと、横から撮影したもの。
エンジンのシリンダー(筒)内をピストンが上下に往復するのと同じように、ダンパー内部でもピストンが動く。
ただ、エンジンとちがってダンパーのピストンには「オリフィス」と呼ばれる空洞がある(写真左)。空洞のなかをダンパーオイルがとおることで、ゆっくりと動くようになっている。
左が1本目に分解したサスペンションで、今回、分解したのは右側。
さきほど紹介したとおり、ストリート走行では10,000kmから20,000kmごと(または2年に1回)のオーバーホールが推奨メンテナンスサイクル。
そういった意味で15,194kmは、距離だけを考えると、まだ余裕がある。
ただし、通常よりも過酷な条件で使用したことを考慮すると、数字以上に負担がかかっている。それらを踏まえて言うと、ダンパーオイルの状態は妥当なところだった。
実際に走っている限りでは、体感レベルでリアサスのへたりを感じる事はなかった。
(高速道路で5速アクセル全開でコーナーリングできるほど)
YSSサスペンションの耐候性
これは意図せず、結果的に「耐候テスト」になってしまった。
1年6ヶ月もの間、バイクを放置した。
しかも、海まで徒歩10分のところに放置していたため、潮風や雨にさらされるというリアサスにとって劣悪な環境だ。(まったく磨いてない)
フロントフォークや各部のサビをご覧いただくと、どれほど厳しい環境かお分かりいただけると思う。
YSSスプリングは高品質なスチール素材「シリコンクロームが」使用され、パウダーコート(粉体塗装)が施されて高耐久性が確保されている。
潮風や、風雨にさらされているだけあって、さすがにところどころ錆が発生していた。
ちなみに常時、海の近くに駐まっているバイクのリアサスをいくつも観察したが、これと同じような状態か、完全に錆びているものが多かった。
雨ざらしにされていたであろう湘南のKSR80はサビが酷く、朽ちかけている。TZR50はヤフオクで落としたものだが、ダンパーロッドにサビが発生している。
保管状況が異なるので単純比較はできないものの、常時、海の近くに駐まっているバイクのリアサスがKSRに近い状態のものが多い事を考慮すると、YSSスプリングの耐久性は純正リアサスと同等以上だと思う。
筆者と同じような劣悪な環境で放置しないかぎり、そう簡単に錆びることはないはずだ。
パウダーコートとは?
静電気の力を使って顔料を吹き付ける塗装のこと。バイクのフレームやホイル、身近なところでは自転車や洗濯機、ガードレールや信号機など、建築や工業用途でひろく使用されている。
フロントフォークにも、リアサスのダンパーロッドの表面にも、サスペンションオイルが付着している。
ところが、前出の中華製フロントフォーク(写真)は激しく錆びているのに対して、分解したYSS製ダンパーロッドのメッキは少しも錆びていなかった。
この差はメッキの質によるところが大きいと考えられる。
筆者は純正・YSS以外の社外サスペンションの両方を含めて、(執筆時点で)90台分以上のサスペンションを観察しています。
その前提でいうと、
YSSのメッキ(ハードクロームメッキ)はオーリンズや、純正リアサスのメッキと比較しても、引けをとらないと実感しています。
スプリングの寿命
厳密にはダンパーだけではなく、スプリングも縮みます。ただし、今回取り外したスプリングは、1ミリも縮んでおらず、出荷状態と同じ長さのままでした。
【検証結果2】YSS 低価格なスクーター用リアサス
「マジかよ・・・」
スクーター用のリアサスペンションを使って、検証をおこないました。
製品モデル:OD220-270P-04-16
適合車種:スーパーDio/SR/ZX (AF27/28)
実売価格はおよそ5千円台。YSSのなかでは、かなり低価格帯の製品です。
取り付けた車両は、タイカワサキのLEO120。流用での使用です。
(レオはツインショックなので、Dio用を2本装着しました)
流用の注意点、問題点については、すでに以下の記事で解説したので、くわしくは話しませんが、
1,車重が全然ちがう
Dio 車重 68kg
レオ 車重 97kg
30kg近くも違えば、バネレート(ばねの硬さ)もダンパーの利きも、おおきく異なります。
2,巡航速度の差が2倍以上
Dio 原付 法定速度 30km/h
レオ 原付2種 60km/h
少なくとも、2倍以上も巡航速度が違います。
つまり、もともとレオで使用するには、柔らかすぎるわけです。
走行環境
冒頭で「リアサスの寿命は走行する環境によって異なる」とお伝えしました。
今回の走行テストでは、ダートを含むオフロードのほか、
真夏の峠道での連続走行、比較的、路面状況の悪い舗装路を日常的に走行。
かなり劣悪な環境で使用しています。
(メーカーの想定しうる使用環境を超えてると思います)
スクーター用 激安サスペンションの寿命
「公道で適合車種に取り付けて使用した場合、少なくとも15,000km以上は十分、使える」
これが結論です。
レオの場合、使用距離1.7万kmで気温が高い(夏)と、ダンパーの利きが弱くなるのを実感しました。
使用距離1.1万km時点(3月)では、それほど気にならなかったんですけどね。
気温が高くなると、法定速度でゆっくり走っている時はあまり気になりませんが、ちょっとペースを上げて走行したとき、路面のギャップでフワフワするようになりました。
繰り返しになりますが、そもそも取り付けた車両の重量が29kgも重たいわけですから、適合車種に取り付けて使用した場合は、それほど気にならないと思います。
なので低く見積もって15,000km以上としました。
実際にはケース・バイ・ケースですが、20,000km前後まで使えると思います。
ちなみに、流用して劣悪な環境で使用しても、使用距離17,040km時点でオイル漏れは一切、ありません。
【事例1】約4万km走行後、性能テストで新品同様だった
海外の事例ですが、アドベンチャーバイク(ヤマハ)で、1年で4万km近く走行したライダーがいます。
カザフスタンや中国、インドなど、中には道路と呼べない道を走行したYSSサスペンション(MG506)をYSSで性能評価テスト。
ほこりっぽい過酷な環境を走行したにも関わらず、オイルが漏れることなく、新品同様だったそうです。
「ダンパーオイルは透明で、163個の部品を検査した結果、わずかな摩耗も確認できず、再び組み立てて、際装着できる」
かなり興味深い結果です。
ちなみに、ESAサスペンションを装着したBMW 1200GSAや、WPサスペンションを装着したKTM DR650と比較して、乗り心地・マシンの挙動において、YSSサスペンションがそれらを上回っていた、とコメントしていました。
【事例2】さらに過酷な環境の使用実績
日本であまり知られていない、YSSの海外レース実績を紹介します。
ハーレーダビッドソン バガーレースでタイトル獲得
2022年12月、タイの「チャーン・インターナショナルサーキット」で開催されたハーレーダビッドソンのタイムアタックレース。
バイクの総重量は350kg。
新製品の倒立フロントフォークキットのほか、ステアリングダンパーと、リアサスペンションを装着したマシンは、ツーリングクラスで優勝(総合3位)
YSSは4輪のサスペンションも設計・開発していて、「世界一過酷なモータースポーツ」といわれるダカール・ラリーのマシンにも採用されています。
ダカールラリー 9,000km超を完走
サウジアラビアの砂漠の真ん中で丸 14 日間続くダカールラリー。
YSSレーサーの2名は、合計タイム60時間39分32秒、世界45人中14位で2023年のレースを完走しました。
世界選手権でファクトリーチームが採用
YSSのメイン市場であるヨーロッパでは、レーシングマシンにYSSサスペンションが採用され、数々のシリーズチャンピオン獲得や、勝利に貢献しています。
オーリンズからYSSへ
バーニーレーシングチーム スーパースポーツ世界選手権(WSSP)ヤリ・モンテッラ選手
スーパーバイク世界選手権(WSBK)で優勝実績を持つ名門チーム バーニー・レーシングチームが、2024年シーズンからスーパースポーツ世界選手権(WSSP)でYSSサスペンションに変更。
(2023年シーズンまでオーリンズを採用していました)
モンテッラ選手はシーズン終盤までチャンピオン争いを展開。
表彰台獲得数14回(優勝7回、2位4回、3位3回)、ポールポジション3回、シーズンランキング3位という好成績を残しました。
MVアグスタ 4レース連続表彰台
おなじくスーパースポーツ世界選手権(WSSP)で、MVアグスタのファクトリーチーム(ワークスチーム)「MV AGUSTA REPARTO CORSE」がYSSサスペンションを採用。
マルセル・シュロッター選手は開幕戦から4戦連続で表彰台を獲得し、シーズンランキング5位になりました。
WSSP300で4年連続タイトル獲得
スーパースポーツ300世界選手権(WSSP300)では、YSSサスペンションのサポートライダーが4年連続タイトル獲得。
ジェフリー・バイス選手(自身2度目のタイトル獲得)
アルヴァロ・ディアス選手 2022年
エイドリアン・フエルタス選手 2021年
ジェフリー・バイス選手 2020年
2024年はわずかに届かず、ロリス・ベネマン選手はシーズンランキング2位。チームメイト ミルコ・ゲンナイ選手の活躍もあり、MTM KAWASAKI は5度目のチーム優勝を果たしました。
世界の国内選手権でチャンピオンを獲得
日本に全日本ロードレース選手権があるように、世界各国に国内最高峰のロードレース選手権が存在します。
なかでもMotoGPや、スーパーバイク世界選手権のライダーを数多く輩出しているスペインや、イタリアにおいて、YSSは複数のカテゴリーでタイトルを獲得しています。
ブロンコス・レーシングチーム ロレンツォ・ザネッティ選手は、WSBK(スーパーバイク世界選手権)DUCATIのテストライダーを務めている。
2023年 CIV イタリアロードレース選手権 SBKクラスでシリーズチャンピオンとなった。
バーニー・レーシングチームのミケーレ・ピッロ選手は、MotoGP DUCATIの開発ライダー。
CIV SBKクラス 2015、2017、2018、2019、2021、2022、2024年シリーズチャンピオン。
ドゥカティ テストライダー2人の評価
2023年 YSS本社の広報資料によると、
「ミケーレ・ピッロ選手、ロレンツォ・ザネッティ選手ともにYSS製サスペンションを高く評価した」
とのコメントがありました。
まぁ、語らずとも2人のレース結果が証明していますが、MotoGP、WSBKそれぞれのテストライダーの評価は興味深い。
ストリートのYSSライダー
日本同様、タイでもハーレー人気は高く、YSSサスペンションユーザーが多いです。
新製品のYSS倒立フォークと、ステアリングダンパー、リアサスペンションが装着されている
ほかにもミニバイク、アドベンチャー、オフロードマシンなど、排気量・車種・メーカーを問わず、世界中にYSSユーザーがいます。
(世界各国のFacebookを見ている限り)
「インドネシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール、香港、韓国を含むASEANの市場では、当社はナンバーワンです。日本に関して言えば、当社は現在第2位です。
ヨーロッパはスクーターとオートバイの2つの市場に分かれています。
スクーターでは5年連続シェアNo.1を誇ります。現在、当社はドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、フランスでナンバーワンです」
YSSサスペンション 最高経営責任者ピニョ氏 2020年インタビューより
YSS VS オーリンズ 【検証】オーリンズ最強説は本当か? サスペンションのえらび方
ドイツのクラシック バイクレース
オッシャースレーベン2023は日本国内メーカー、ドゥカティ、ラベルダ、ビモータ、モトリーニ、トライアンフ、MVアグスタなど、1970年代から2000年ぐらいまでの旧車が参加するイベント。
参加車両を見ると、かなりの割合でYSSサスペンションユーザーがいる事がわかります。
多すぎて全部は紹介しきれないので、一部を紹介します。
以上YouTube オッシャースレーベン2023より引用
YSSサスペンションの硬さ・乗り心地
筆者はCB125Tに新品の純正リアサスペンションを装着して、走ったことがある。
抜けきった純正サスから新品に交換すると、しばらくは気持ちよく走れるが、15,000km走ったぐらいから顕著に柔らかく感じるようになった。
20,000kmに達する頃には、交換前の純正サスと同じく、ダンパーが抜けた状態になった。
CB125Tの純正リアサスはもともとの設計が柔らかすぎるのかもしれないが、体重50kg未満の筆者が乗って、この有様。
だからYSSのCB125T用リアサスは純正と比較して、スプリング・ダンパーともに硬めの方向に設計してある。
(あくまでストリート向けなので「本来このぐらいの硬さは必要だろう」という程度)
硬さ・乗り心地は簡単じゃない
サスペンションの乗り心地や、硬さの話って、食べ物の「おいしい」「まずい」みたいに、感覚的な話で終わりがちです。
実際は掘り下げると、もっともっと深い部分があります。
くわしいサスペンションの話は下記の記事で解説しています。
まちがった情報が検索上位に表示されることがある
「社外品は寿命が短い」という情報をろくに根拠を示さず発信しているバイクサイトを観ると、「おそらくサスペンションのことを知らないWEBライターが記事を書いたのだろうなー」と思う。
インターネットは手軽に情報を発信・受信できる反面、まちがった情報を信じるリスクもあります。
(オイルの記事にも書きましたが、有名バイクメディアも結構、まちがいが散見されます)
結論に飛びつかず、「なぜなのか?」根拠をよく確認したほうがいいと思います。
ちなみに、本記事を含め、YSSサスペンション耐久テスト結果を、わたしたちが各ネット媒体で発信するようになって、YSS製品を扱う業者さんが「高耐久性」を広告に表示するようになりました。
今までそんなことサイトに書いてなかったのにね笑
あと、古い情報ではなく、アップデートされた新しい情報をチェックすることも大事です。
新品なのにオイル漏れする理由
並行輸入品を取り付けて、トラブルになるケースが多いようです。
原因について、下記の記事で解説しています。
大きすぎるリアサス流用の危険性
「自分のバイクには製品ラインナップがないから、他車種のものを流用しよう」
と考えている人がいるかもしれない。
もし流用した場合、どんな隠れたリスクがあるのか?、トラブル事例を紹介してます。
利用者のレビュー
筆者はショッピングサイト、SNSを含め、あらゆるレビューに目を通しています。
もちろん否定的な意見や、レビューも見受けられます。
しかし、ほとんどのケースでは
- 正規品 or 並行輸入品
- 取り付けたバイクの状態(改造の有無、整備状態)
- 取り付けをおこなった人の作業レベル
- 操作やセッティングがまちがっていないかどうか
- どういう使い方で、何キロ走行したか
これらの情報が不明確です。
なので、的を射た意見かどうか、言い分に妥当性があるかどうか、判断しかねると感じています。
事実、リアサスに限らず、操作方法や、取り付け作業をミスしたにもかかわらず、「製品のせいだ」と思い込んでいるケースが多々、あるからです。
断片的な情報、一部だけを切り取った情報を鵜呑みにするのは、けっこう危険かなと思います。
車種専用で、使用用途に合った正規品のサスペンションを正しく取り付け、適切な調整がおこなわれているかぎり、「社外品だから寿命が短い」ということはない、と考えていいです。
以下はガレージ湘南でリリースした製品のレビュー。
お客さまから頂戴した内容をそのまま、掲載しています。
サスペンションのえらび方については、以下の記事でくわしく解説しています。