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アドレスV125アイドリング不良 ソレノイドバルブ洗浄の注意点

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アドレスv125アイドリング不良

アドレスV125G CF46A

アイドリング不良の原因を突き止め、解決するまでのアプローチをレポート。

目次

2つのアイドリング不良

ことの発端はアイドリング不良。2つ症状がありました。

アドレスv125 f1メーター点きっぱなし
メーター交換車です

1つ目。エンジンが完全に暖まった状態で、FIランプが点きっぱなし(点滅なし)になりました。

同時に停車時、アイドリングが上がったり、下がったりを繰り返し。

正常時を1600rpmとした場合、エンストしかけてはスロットルを開けた時のように回転数が上がる。またエンストしかけて、回転数が上がる。

FIランプが点くと、ずっとこの調子。

エンジンをOFFにして、しばらくしてエンジンをかけるとランプは消え、この症状はおさまります。

しかし、乗っているとまた同じ症状が起きます。

もう一つは、エンジンが完全に暖まっている状態(真夏の昼間でも)で停車時、エンジン回転数が高くなる、という症状です。

だいたい3000rpmぐらいでしょうか。

真冬のコールドスタートなら話は別ですが、これも明らかに異常です。

このように、2つの症状のうち、どちらかが発生していました。

FIランプが点滅した場合、スズキのエラーコードを調べれば点滅の仕方で原因がわかります。

しかし、今回のように点灯しっぱなしの状態はエラーコードに記載がなく、原因不明でした。

スロットルボディ洗浄の意外なデメリット

アドレスV125は比較的、販売台数の多い車両のため、ネット情報も豊富にあります。

「アイドリング不良はスロットルボディや、ソレノイドバルブ洗浄で改善される」

という主旨の情報が大多数でした。

ただし、「アイドリング不良」が、具体的にどのような状態なのか書かれておらず、筆者のアドレスと同じ症状なのか、違うのか、分かりませんでした。

まぁ、とにかく、ダメ元で試すことにしたのですが・・・。

アドレスv125Gシート脱着

シートとメットインを外せば、ソレノイドバルブにアクセスできます。

アドレスv125gスロットルボディ

スロットルボディはエアクリーナーボックスと繋がっているため、エアクリーナーボックスを取り外す必要があります。

スロットルバルブ右上の穴は、ソレノイドバルブと繋がっていて、この経路が詰まると、アイドリング不良になるそうです。しかしまぁ、汚れていますね。

アドレスv125ソレノイドバルブ洗浄

ソレノイドバルブを取り外した状態。黒いものは不純物です。

パーツクリーナー(ブレーキクリーナー)では容易に落ちないため、ヤマハのクリーナーを使いました。プロショップが使用している製品です。

汚れ落ちが良い反面、プラスチック製品・ゴム製品を痛めるため、注意して使用しましょう。

アドレスv125ソレノイドバルブ

取り外したソレノイドバルブ。

矢印の箇所にスプリングが入っていて、「バネが破損したり、バネが縮んで正常に作動しなくなる」というケースもあるようです。

ソレノイドバルブはプラスチック製。シールを傷める懸念があるので、パーツクリーナーで清掃。

洗浄後に起きた事件

元どおりに組み直して、いざ始動。

エンジンがかかると同時に、すさまじい白煙と刺激臭がたちこめます。

燃焼室に入ったクリーナーが燃えているからです。(住宅地などでやる場合、注意)

アイドリング状態だと、近所迷惑になるのでそのまま試走。白煙が出なくなるまで走行しました。

翌朝、エンジンを始動しようと思ったら、セルは回るものの、エンジンがかかりません。

バッテリーは充電して1ヶ月経ってない。(念のため、あらためて充電しました)

もしやと思ったら案の定、スパークプラグでした。洗浄液がどこかに残っていたのでしょうか、電極が完全に濡れて、火が飛ばなかったようです。

洗浄した直後の始動なら、よくある事ですが・・・さんざん走行した翌日にこんな事が起きるとは。

プラグを洗浄すると、難なく始動。

ふたたび、テストラン。

「ますます、アイドリング不良の症状が悪化」

残念な結果となりました。

以前よりも、症状の発生頻度が格段にUP。

エンジンが冷えた状態から始動して、300mも走行しないうちにFIランプが点灯。かと思ったら全然、点灯しなかったり。と、思ったら点灯したり。

もはやエンジンや、外気温・湿度に関係なく、ランダムに発生するようになりました。

こうした事も想定していたので、仕方なくソレノイドバルブを交換することに。

ソレノイドバルブ交換後

アドレスv125 純正ソレノイドバルブ

ソレノイドアツシ 部品コード:13420-33G02

※シールも付属しています

部品代は約1万円。

取り外したソレノイドバルブと比較しましたが、前出の「バネが破損したり、バネが縮んで正常に作動しなくなる」という箇所は、新品とほぼ、変わらずでした。

バイクショップオーナーいわく、「古いバイクだし、何らかの理由で抵抗値が変わったのでは」とのこと。

とにかくソレノイドバルブを交換して、「今度こそは」と思ってテストラン。

またもや、症状再発!

嘘でしょ、さすがにガックリきました。

しかし「インジェクション車でエラーが発生したら、ECUのリセットが必要」ときいて、バッテリー端子を外し、(忙しさもあって)2日後、バッテリー装着。

(アドレスv125は、バッテリー端子を外すとECUがリセットされるそうです)

アドレスv125バッテリー

3度目の正直

200kmほど走りましたがその後、(今のところ)交換前の症状は2つとも発生しなくなりました。

インジェクター クリーナーを投入後、さらにアイドリング・アクセレーションが安定しています。

スロットルボディや、ソレノイドバルブだけでなく、フューエルライン(燃料経路)自体が詰まっていたのでしょうか。

分解しやすさで言うと、やっぱりキャブ車のほうがいいような気も。何にせよ、直ってよかったです。

スロットルボディ洗浄の注意点

最後に補足しておきます。

「スロットルバルブを開いて(アクセル全開の状態)、クリーナーで洗浄する」

といった主旨のネット情報が散見されます。

この場合の注意点として、(筆者が経験したように)燃焼室にクリーナーが入り、プラグの電極が濡れて始動不良になることがあります。

もうひとつ、

プラグを取り外して、プラグホールからエンジン内にクリーナーを入れる場合(意図せず、クリーナーが燃焼室に入った場合も同じ)、エンジン始動前にプラグを外した状態でセルを回す(またキックする)ようにしましょう。

燃焼室内に入ったクリーナーをプラグホールから外に出すためです。

(勢いよくプラグホールからクリーナーが飛び出てくるので注意)

それからプラグを装着して、エンジンを始動します。

燃焼室に大量のクリーナーが残ったまま、プラグを装着してエンジンを始動すると、プラグが濡れるだけではなく、クランクシャフトを損傷する恐れがあります。

(クリーナーが入った分、燃焼室の容積がせまくなる=圧縮比が高くなる)

経験上、エンジン洗浄はお勧めしませんが、どうしても試したい場合はこの点、注意したほうがいいでしょう。

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