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ブレンボ 4ポットキャリパー バイク用ブレーキパッド適合表とレビュー

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バイク用ブレンボキャリパー ブレーキパッド適合一覧

ブレンボ4POTキャリパー用 ブレーキパッドのインプレッションと、適合パッドの紹介です。

純正キャリパーをお使いの方でも、ブレーキパッド選びの参考になると思います。

本記事のブレーキパッドに適合するキャリパー型番

左用 20.5165.58
右用 20.5165.68

CNC左用 20.4756.5
CNC右用 20.4756.61

目次

装着したブレンボキャリパー

汎用の最も目にする機会が多い入門モデルです。

・ピストン径:30/34mm
・材質:アルミニウム(キャスト2pc)
・重量:約880g
・表面処理:ゴールド
・ピストン材質:アルミニウム
・取付ピッチ:40mm

Frand製の4ポットキャリパーも一部、上記と共通サイズだと思われます。

ブレンボキャリパー 適合パッド

キャリパーは、ピンが1本のタイプです。

使用したバイク

CB150T CB125T改

HONDA CB125T改(142cc軽二輪登録)車両重量139kg

ブレンボキャリパーを装着したcb125t

ブレンボ4POTキャリパー/ステンレスメッシュホース/ブレンボ製ラジアルポンプマスター/CB750Fディスクローター

リアブレーキはドラム式です。

テスト条件

・春夏秋冬オールシーズン

・季節を問わず雨天での走行

・市街地、ツーリング、峠、高速道路

・100km/h以上からのフルブレーキングテスト実施

・ブレーキフルード(DOT4)は2ヶ月に1回交換

・ほぼ、リアブレーキは使用しない

パッド性能の客観的な指標

ブレーキパッドは、AMECAによる「摩擦材評価コード」があります。

「利きやすさ」をあらわすものです。

AMECA(Automotive Manufacturers Equipment Compliance Agency, Inc)

AMECAは「自動車メーカー装備適合認証機関」です。アメリカ合衆国内で使用される自動車部品や、装備品が法規や、安全基準に適合しているかを評価・認証・登録する役割を担っています。

摩擦材評価コードは、アルファベット記号でブレーキパッドの裏側に記載されています。

摩擦材評価コード
SBS製 ブレーキパッド

右上に「HH」の表記があります

左側 常温時/右側 高温時という表記の仕方になっています。

摩擦材評価コード

前出のSBS製 ブレーキパッドは、常温時・高温時ともに「H」である、という意味です。

Q. 長持ちするパッドは?

A. 摩擦係数が高い = 硬いパッド「H」です。摩擦係数が低い(D・E)パッドは摩耗が早い、やわらかい材質でつくられています。

つまり、

「摩擦係数」という指標で判断した場合、「HHと記載されたパッドがよく利いて、長持ちする」ということになります。

ただし、あくまでパッド選びの基準の一つです。

HHだから良い、EやDが悪い、という話ではありません。

たとえば、バイク初心者の街乗りライダーが「HH」のパッドに交換した場合、利きが良すぎて怖い思いをするかもしれません。

また、高温時での使用にフォーカスしたパッドを街乗りで使用した場合、製品によっては温度が低すぎて、本来の性能が得られない、という事にもなりかねません。

実際には、ご自身のバイクや、技量、用途、シチュエーションによって最適なパッドは異なります。

相性、マッチングが大事です。

ブレーキパッド販売メーカーごとに、用途・目的に応じた商品説明をしてくれているので、それも参考にしてみるといいです。

テストしたブレーキパッドの寿命とインプレッション

パッドの使用走行距離を記載しています。

ただ、全てのパッドをギリギリまで使用したわけではありませんし、走り方も変えているので単純比較はできないと思います。

あくまで、おおまかな目安として判断してください。

ブレンボ

ブレンボキャリパーを購入した時に装着されている標準パッドです。

「標準」というと頼りない印象があるかもしれませんが、握り始めの食いつき・コントロール性を両立させた優れたブレーキパッドです。

※ブレンボ社のブレーキパッドはFERODO(フェロード)がOEMをしています

とくに不満がなければ、これを選べば間違いないと思います。

使用走行距離:15,377km

ZCOO(ジクー 時空)

ブレーキパッドを扱う岡田商事株式会社の自社ブランド製品。セラミックシンタードです。

ブレンボ 4ポットキャリパー パッド

握れば握った分、ブレーキングが体感できる、セラミックシンタード

商品特徴
ガツン、と効くブレーキングよりも、真綿を絞めるように、握れば握ったほど、効力を発揮するように開発・設定したパッド。
さらに、思い通りスムーズに減速する為、ライダーが体感しているよりも減速する、“気持ちいい体感減速”を追及しました。
レース用ブレーキパッドにありがちな温度依存性(※1)も少ない為、公道でも安心してご使用頂けます。

(※1) ある一定の温度域に達しないとブレーキングの効力が発揮しない、という事。

http://www.okada-corp.com/products/?p=2105

商品説明に偽り無しで、真冬の大雨だろうとなんだろうと、とにかくコントロール性が抜群。

ブレンボ製ラジアルマスターと相まって、まるでミリ単位でブレーキの効き具合を調整できるようなイメージです。

それが、パッドが消耗して使用限度ギリギリまで続きます。

ブレーキング初期の効き具合は、FERODOのシンターグリップより若干いいと思います。

私はレバーを引いた時にしっかり効いてくれて、なおかつコントロール性の高いタッチが好みですので、これまで試したブレーキパッドの中で一番、気に入っています。

ブレンボの標準では物足りない方にお勧めです。

1回目 使用走行距離:18,274km

FERODO(フェロード)

16年間、鈴鹿8耐に参戦していたガレージ湘南 日向社長のお勧めで知りました。

フェロードはイギリス発祥のメーカーです。

ZCOO同様、岡田商事が取り扱っています。

FERODOは世界で最も古い摩材メーカー
 1897年にイギリス人のHerbert Frood氏が馬車用のブレーキシューを開発し、その後馬車メーカーや地下鉄へのブレーキ供給を開始しました。
 現在でも世界中の多くの二輪・四輪メーカーへのOEM供給を行なっています。
 また、AP RACNIG・BREMBOなどのキャリパーメーカーへもブレーキパッドのOEM供給を行なっています。

徹底した品質管理
 メーカー純正品・アフターマーケット品ともにISO/TS16949とISO14001を取得した生産ラインで製造されています。
 すべてのブレーキパッドは厳密に品質コントロールされ、一貫した製品を提供し、ロード用パッドはTUV/KBA認証を取得しています。

世界中のレーストラックからフィードバック
 フェロード製品は世界中の名立たるレースチームで使用され、そのフィードバックにより開発されています。
 ワールド・スーパーバイクに参戦している「Voltcom Crescent Suzuki」のスポンサーです。

http://www.okada-corp.com/products/?category_name=ferodo

ブレーキパッドのラインナップは3種類。

「シンターグリップ」、上位製品の「プラチナム」、スクーター用の「アージェント」。

私が使用したのはシンターグリップです。

高温域での制動力、パッドの耐久性、ディスクローターへの攻撃性とも、
ストリートパフォーマンス重視のスポーツアイテム。
ストリートでスポーティーなライディングを望むライダーへ。

http://www.okada-corp.com/products/?category_name=ferodo

特徴としては、商品説明にあるとおりだと思います。

ZCOOのセラミックシンタードと比較すると、ブレーキをかけた際の効きは少し甘め。コントロール性も効きも申し分ないですが、どちらかというと私はZCOOが好みです。

ただ、はっきりと明確な性能差があるかと言われたら、微差だと思います。

フェロードを使っている時はZCOOの時よりタイヤが摩耗していましたし、フロントフォークも消耗していましたからね。その点を考慮した上で、わずかにZCOOが良かったという事です。

ブレンボ 4ポットキャリパー パッド

使用走行距離:14,929km(写真のとおり使用限界)

利くパッドと、利かないパッド。どちらがいいですか?

個人的に「これはいまいちだな」と思ったのはデイトナの赤パッド。90年代に使っていて、「製品改良されたかな」と思って再度、ブレンボキャリパーで試してみました。

が、ブレンボ製 標準パッドより大幅に利きが悪くなったので即、ほかのパッドに交換しました。

逆に、現在のパッドが利きすぎるという人や、初心者ライダーにはいいかもしれません。スポーツ走行とか、峠を走る方はやめておいた方が無難だと思います。

某有名なバイク用品店では、「利くパッドと、利かないパッド。どちらがいいですか?」と店員さんに言われて、利かない方を選ぶと、赤パッドを勧められるようです。(実話)

適合車種とブレーキパッド一覧

ブレーキパッドに記載されている適合車種は以下のとおりです。

ホンダ:RS125(’94 Brembo 1ピン)/RS250(’93 Brembo 1ピン)

ヤマハ:SZR660

アプリリア:RS250(’97〜’98)

DUCATI:M900 Monster(’93~’99)/M900 STREET MONSTER (’94-’99)/750 MONSTER (’96-’99)/600 MONSTER (’94-’98)/600 MONSTER DARK (’99-’00)

851STRADA (’89)/851STRADA (’91-’92)/851 SUPERBIKE (’90)/888 ROCH REPLICA (’91-)/888 SP V (’93)/888 SP4 (’92-) /888 SPO /888 SPS (’92-) /888 SUPERBIKE (’93)/916(’94~’96)/748SP (’95-’98)

502 SINGLE (’93)/502 SUPERMONO (’93)

400 SS JUNIOR (’92)/600 SS (’94-’98)/750SS NUDA(’92)/900 SS (’91-’97)/900SS SUPER SPORT (’95-’97)/900SSR (’92)/900 SUPER SPORT (’89-’98)/900SS/IE (’99-’01)
916 STRADA/SP (’94-’98)

1,ブレンボ標準パッド オールラウンドに使える

2,ZCOO ( ジクー ) バイク用 ブレーキパッド セラミックシンタード

サーキット走行用のTYPE-Cは、2021年12月をもって製造終了となりました。

3,FERODO(フェロード) ブレーキパッド シンターグリップ(ST)

ブレーキシステム低温時・高温時のちがいは上記3つ、いずれのパッドも大きな差はありませんでした。(雨天での使用を含む)

4,METALLICO(メタリカ)ノーマルスペック ブレーキパッド

5,METALLICO(メタリカ)スペック03 ブレーキパッド

メタリカとは?

鈴鹿8耐、ロードレース世界選手権(現在でいうMotoGP)など、世界トップカテゴリーでのレース実績豊富なオートスタジオ・スキル 代表 嶋根氏が開発している日本製ブレーキパッド。

(「メタリカ」「メタリカブレーキパッド」はオートスタジオ・スキルの登録商標)

嶋根氏によると、もてぎ7時間耐久レースでシェアナンバー1。テイスト・オブ・ツクバでも圧倒的なシェアを有している。

またメタリカブレーキパッドのレースユーザーのうち、90%以上のユーザーがSPEC03を選んでいるとのこと。SPEC03はレースでの使用を前提に開発された製品。ノーマルスペックと比較して、より高い制動力、高い耐摩耗性を実現。

雨天や低温時:標準もSPEC03も性能面で差はない

高温時:SPEC03のほうが、より高温域でも機能するようになっている

サーキットユーザーのほか、シングルディスクで制動力に不満がある場合、SPEC03を試すのも、いいかもしれません。

6,ベスラ(Vesrah) ブレーキパッド シンタードメタル ZD-945CT

日本製。

もて耐では、Vesrah Racing TEC.2 & YSS が3年連続(2022-2024年 )の優勝を果たしています。

以上、筆者が検討候補としてリサーチした製品。

探せばほかにもあるかもしれません。

公道メインで走る場合

「低温や、雨でもよく利いてコントロールがしやすいパッドがいい」性能重視な方
→シンタードパッド☆☆☆

価格重視の方、ブレーキングが苦手な方、飛ばさない方
→オーガニックパッド☆ or セミメタルパッド☆☆

☆は利きぐあいのイメージです

メーカー、製品によって表現はちがうかもしれませんが、大きく分けて3種類なので、自分のイメージに近いものを選べば、大きく失敗することはないと思います。

ちなみに

リア用パッドは、足だと強弱のコントロールが難しいため、よほど重量車じゃないかぎり、初心者の方はほどほどに利くパッドに留めたほうがいいと思います。(セミメタルパッドなど)

ブレーキフルードや、ピストンキャリパーのメンテナンスも忘れずに。

ブレーキシステムがちゃんと機能する状態でなければ、本来のパッド性能は体感できませんからね。

トータルで考えることが大事

修理、整備の現場を観ていると、タイヤが摩耗していたり、古くてゴムが硬化していたり、空気圧がゼロ(もしくは規定値以下)なのに気づかないライダーが多いです。

たとえば、ブレーキを強化していても、肝心のタイヤがグリップしなければ、ブレーキの利きは悪くなります。

フロントフォークや、リアサスペンションが抜けていると、強くブレーキを利かせたときの挙動が急になり、マシンが不安定になります。

ブレーキ、タイヤ、サスペンションは、別物ではなく、セットで考えましょう。

ブレーキカスタム実践レポート

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