錆だらけのチャンバーの自家塗装をおこないました。
LEO120 SEはおそらく1998年ぐらい生産だと思いますが、スチール製のチャンバーはすっかり錆びだらけ。このままだと、そのうちチャンバーに穴が空いてしまうので、気になっていました。
ホームセンターで購入できるスプレータイプの耐熱塗料を使って、チャンバーを塗装していきます。
(4ストのスチール製マフラーなら、同じ方法で塗装できるかと思います)
エンジンオイルタンクのひび割れ
まずは、エンジンオイルの漏れ。
ガレージ湘南に入庫してくる2スト車(1980年〜1990年代)を見ていますと、エンジンオイルタンクにヒビが入っていることがあります。
車両の保管状態、オイルタンクの位置などによって劣化具合は異なりますが、樹脂製品のため経年劣化で割れやすくなります。(ノンカウル仕様のNS-1は、位置的に紫外線の影響を受けやすいです)
レオ君はどこからか、オイルが垂れてくるので、この際、オイルタンクをチェックすることにしました。オイルタンクはシート下、右サイドカバーの裏側にあります。

サービスマニュアルはありませんし、ネット上にレオ君の情報は皆無。なので、勢いだけでパーツを外しまくって、ようやくオイルタンクに到着。
見たところ、汚れてはいましたが、クラックは入っていない様子。オイルポンプへのホースも割れてません。それでも、微妙にしずくっぽい量のオイルが漏れてきます。
オイル残量のセンサー部分から漏れているのかもしれないので、とりあえず様子見することに。
それとLEOはオイル残量がわかりづらい。写真のとおり赤いテープを貼って、確認しやすくしました。


耐熱塗装の下準備
本題のチャンバー塗装です。
冷えた状態でチャンバーを取り外し、ワイヤーブラシを使って錆を落とします。
本格的にやるなら、グラインダーを使うようですが、今回の目的は錆の進行を止めることなので、ワイヤーブラシを使いました。柔らかいものだと歯が立たないので、固めのものを使います。
ステンレス製がなかったので、今回はしんちゅう製ブラシを使いました。ステンレス製のほうが硬いです。


最近は、レンタルピットなんてサービスがありますから、できればブラストをかけたほうがいいでしょうね。
それも面倒だなーという方には、手軽に使える錆落とし「ネジザウルス リキッド」がお勧めです。
SNSで話題になっていて最近、周囲の方々が使っているのを見かけます。私もいろんな錆落としをテストしましたが、対費用効果や使いやすさを考えると、かなり良さげです。
ワンポイントアドバイス
私の場合、それほど仕上がりにこだわっていないので大ざっぱにやっています。もし、少しでもきれいな仕上がりにしたいなら、ここでしっかりと錆を落としてください。
下地を綺麗にすると、仕上がりのクオリティが全然、ちがってきます。
チャンバーの中をチェック

チャンバーの中は、思った以上に乾いた状態でした。
ずいぶん昔になりますが、NS-1やCRMなど、ほかの車両のメンテをした際は、もっとウエッティというか、ねっとりしたカーボンがあったように思います。
(マシンの仕様や、セッティング、乗り方にもよると思うので、一概に比較できないですが)
レオ君はドライだったので、ワイヤーブラシで軽く、カーボンを落としました。
しかしなにより、ピストンを除いたところ、目視ではまったく傷が入っていなかったので、安心しました。
(メーター走行距離19189km)
自分ではエンジンを壊さないよう、なおかつ、カーボンが溜まらないように走行しているつもりですが、ピストンを見る限り、これでいいんだと思えました。
およそ10,000km近く走行したCRM50から取り外した純正ピストンは、けっこう傷が入っていましたからね。
CRMは中古車でしたから、前オーナーの走り方が悪かったのか、私が毎日、通勤で全開走行しているのが悪かったのか・・・はっきりとは、断定できないところがあります。
CRM50は、設計上、薄めのキャブセッティングになっています。常時、高回転で走行し続けると、焼き付く恐れがあります。高回転を多用するなら、メインジェットを少し上げることをお勧めします。
2ストの場合、サイレンサーが取り外せないかぎり、あまりおすすめできませんが、大量にカーボンがたまっている場合、カーボン除去をするのも一つの方法です。

耐熱塗装の手順
今回、おこなった手順のまとめです。
1,錆部分をワイヤーブラシで落とす
2,パーツクリーナーで脱脂する
3,耐熱塗装する(3回ほど重ね塗り)
4,塗装した箇所に熱を入れる
気温によりますが、だいたい30分〜ぐらい乾燥させて、上塗りします。
待っている間、スカッシュのメンテナンスを行いました。バッテリーのターミナル部分の錆と、ガソリンタンク(外側)の錆を落としておきました。
本当は塗装したいところですが、そこまで手が掛けられないので、防錆剤を塗布しておきました。
スカッシュもLEO120 SE同様、ガレージ湘南所蔵の代車。私がレオ君にチェンジして以降、スカッシュはメカニックの橋立さんのお買い物バイクと化している様子。
たまには動かさないと、バイクはどんどん痛んでしまいます。

私が塗装している最中、ガレージ湘南では日向社長がCB750Fを、橋立さんがZX-10Rのエンジンオーバーホールをされていました。
旧車に欠かせないメンテナンス
ネジやボルトのチェックです。
「なんだ、そんなことか」と言われそうですが、かなり重要です。
新車でも、走行しているうちにだんだんとネジやボルトが緩んできます。旧車なら、なおさらチェックすべきだと私は実感しています。
CB150Tで過去、長距離ツーリング先でパーツが脱落したことがありますし、ナンバープレートが落ちるのは、よくある話です。
ガレージ湘南に入庫してくるバイクも、けっこうな頻度であちこち緩んでいる事があります。それでも事故らなかったのは、運が良かったとしか、言いようがありません。
さて、レオ君もせっかくカウルを外したので、各部ボルトやネジの増し締めを行いました。
実際、あちこち緩んでいました(笑)チェックして正解でした。
脱落は、忘れた頃にやってくる
ついでに電気配線の端子。外せるものは外して、接点復活剤を使用。バイクは古くなると、ほぼ確実に点火系が弱くなります。
(プラグの火花が弱くなる=濃くなる=燃費が悪くなったり、かぶりやすくなったり、始動性が悪くなる)
そんなことをしているうちに、塗装が終わりました。
塗装完了


下地をちゃんとやれば、もっときれいになったのでしょうが、さび止め目的なので、こんなところです。
用意していたガスケット(KSRやAR用)は、サイズが小さすぎて使用できず。さいわい、ガレージ湘南の在庫でピッタリサイズがありました。
シリコンガスケットを塗布して、スタッドボルトを折らないよう、注意しながらチャンバーを取り付けます。
キック一発で始動。
どうやら、排気漏れもない様子。そのまま、前日のキャブセッティングの試乗を兼ねて、チャンバーに熱を入れるための走行に出かけました。
カウルを取り付けて、完成です。

使用したツール
今回使用した塗料など、道具の紹介です。
液状ガスケット
ワコーズ(WAKO’S) ガスケットメイク GM 100g V350
エンジンのオーバーホールなどで使用する液体パッキン。硬化すると、ゴムのような弾力性があります。
以前、CB125Tの純正マフラー(サイレンサー側)の隙間から、排気漏れしていたので試しに使ってみました。屋外保管で5年ほど経ちますが、粉状になったり、剥がれる様子はありませんでした。
耐候性、耐久性は十分だと思います。
また個人で使うには量が多いため、製品を購入してから5年以上経過していますが、とくに成分が分離するといった様子もなく、使用できています。
ちなみに本来の使い方とは違いますが、スイッチ周りや、インシュレーターのひび割れなどちょっとした割れをふさぐのにも使えます。
耐熱塗料
ホームセンターなどで入手できる「つやあり」ブラック耐熱塗料です。
塗料に関しては、とくにこだわりがないため、これにしました。
接点復活剤
コンタクトスプレー
メインスイッチや、端子などの接触不良の改善、防錆効果のあるスプレーです。バイクだけでなく、電気製品に幅広く使えるので、1本あると便利です。
とくに旧車整備(修理)で役に立ってくれます。
錆落としツール
錆の度合いに応じて、必要なものをそろえてください。
比較的、錆が多い場合に最適なステンレスブラシ
軽微な錆なら、しんちゅうブラシ




