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2スト ギア(ミッション)オイル一覧 交換時期とQ&A

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2スト用ギアオイル一覧
目次

ギアオイルとは?

2ストロークバイクは、燃焼して減っていくエンジンオイルとは別に、トランスミッションを潤滑・保護するギアオイルが存在します。

ギアオイルがクッションの役割を果たして、ギアの摩耗をおさえているイメージです。

ミッションオイル、ギアオイル・・・人によって呼び方がちがいますが、同じものを指します。

「クッションオイル」は、サスペンション用オイル(フォークオイル)なので別物です。混同しないようにしてください。

バイクメーカーや、オイルメーカーによっては専用の「ギアオイル」がありますが、ホンダ車は4ストロークエンジンオイルが推奨されています。

基本的に4ストエンジンは、ピストン・シリンダーの潤滑と一緒に、トランスミッションの潤滑も1つのエンジンオイルでおこなっています。

ですのでバイク用4ストエンジンオイルを、2ストのギアオイルに使用しても問題ないわけです。

「2ストのギアオイルに4スト用のエンジンオイルを使う」

知らない方にとっては特殊に思えるかもしれませんが、当たり前に2ストが走っていた時代では、ごく一般的な使い方です。

(信じられない人は、自分でホンダ2ストバイクの説明書をご覧になってください)

2ストギアオイルの交換時期

2ストの場合、エンジンとトランスミッションでオイルが分かれています。

そのため、ギアオイルが4ストのエンジンオイルほど高温になりません。

つまり2ストのギアオイルは、(熱的に)4ストのエンジンオイルほど劣化しにくい環境にあるわけです。

ホンダ車の場合、50ccのスクーター、NSR250Rともにギアオイルは「2年ごとの交換」が推奨されています。

走行距離でいうと、10000kmから15000kmぐらいでしょうか。

ただし、使用説明書やサービスマニュアルは新車(もしくは新車に近い状態)が前提となっています。

・生産から何十年も経過したバイク

・走行距離が多め

という前提で考えた場合、(よりバイクを長持ちさせたいなら)もう少し短いサイクルで交換したほうがいいかもしれないですね。

公道を一般走行した場合の話です。サーキットや、エンデューロなど競技使用を除きます。

交換しなければならない場合

筆者の体験談を紹介します。

1,オイルの乳化

乳化した2ストのギアオイル
空冷車のギアオイル LEO120

ギアオイル交換後、1年未満で乳化していたギアオイル。オイル量を確認する窓に、白くなったオイルが付着している。

水分が混じったエンジンオイル
気泡みたいなものが水

もともと長期不動車を整備して乗っていたので当然、ギアオイルも交換済み。写真は1ヶ月のうちに2,3回ギアオイルを交換した際に撮影したもの。(4月)

一般的に気候によって、結露が発生することはめずらしくありません。

フロントフォークを分解したら、フォーク内部に結露が発生していたこともあります。ただし、ギアオイルに繰り返し水が入っている場合、いくつか原因が考えられます。

1,長い不動期間の間にギアオイル内に水分が溜まっていった

2,数回の交換程度では抜けきれない量の水がギアオイルに入っていた

3,エンジンの気密性が悪く、水分が混入しやすい

4,地域的に湿度が高い

結論として、

どれも影響しているようでした。

上からギアオイルを継ぎ足して抜いたり、オイル交換するだけでは、なかなか水を抜くことができないため、できるだけギアオイルが高温になるまで走行。

その後すぐ、ギアオイルを抜き取る。

これを繰り返すうちに水が抜けていきました。同時に、外気に放出されていたホースに栓をして、湿気を吸わないように対策。

以来、同じ現象は起きなくなりました。

放置車両や、不動歴の長いバイクだと、抜き取ったオイルを注意して、観たほうがいいかもしれません。

2,ギアが入りにくい

こちらも筆者の体験談。

トランスミッション ギアオイル交換 2スト
写真ではわかりづらいが、金属粉は多め。原因は分かっているので驚くほどではない。

もともと、ギアチェンジに難(クセ)のあるLEO。

ギアチェンジの際、うまくギアが入らなくなってきたので、ギアオイルを交換しました。前出の写真(蛍光カラーのオイル)と比較すると、汚れっぷりがよく分かると思います。

モチュール ギアオイル交換 2スト
正規輸入品 原産国はベトナム

安定のelfにしようかと思いましたが、あえてモチュールにしました。

エンデューロレーサー石井正美さんの元メカニックいわく、モトクロスレーサーの間では、モチュールのギアオイル(またはエルフ)を使っている人が多かったとか。

ギアオイル交換交換 2スト
モチュール

4スト用エンジンオイルのイメージとは違って、モチュールのギアオイルは一般的な茶褐色でした。

LEO規定量の0.8リットルでこのぐらい。

交換後の変化については、下記の記事で解説しています。

ギアオイル交換の効果

機械的なトラブルや摩耗は別として、ギアオイル劣化によるシフトフィーリングは、交換すれば良くなります。

ただ、よっぽどオイルが劣化していないかぎり、体感しづらいと思います。

(おそらく、4ストのエンジンオイルや、2ストのエンジンオイルを交換したときのほうが、分かりやすいでしょう)

交換すれば少しでもトランスミッションの摩耗をおさえてくれるのは間違いないですし、多くの2スト絶版車は新品トランスミッションが手に入らないと思うので、交換はしたほうがいいです。

頻繁に交換しない部分だからこそ、放置されていたりしますからね。

せめて点検は必要だと思います。

抜いたギアオイルに金属粉が混ざっていた場合

よく「使っているオイルのせいだ」と解釈する人がいます。

粗悪なギアオイルを使用しているのでなければ、むしろ、ふだんのクラッチ操作や、機械的トラブルの可能性を疑ったほうがいいと思います。

「ギア抜けの原因が、じつは交換した社外品のバックステップ(取り付けミス)だった」という事例もあります。

ギアオイルの選び方

個人的にはギアオイルは、エンジンオイルほど神経質にえらぶ必要はないと思います。

強いて言うなら、

オイルによってギアチェンジした際のタッチが変わります。

表現がむずかしいですが、たとえばヤマルーブが「グニュッ」とした感触なら、あるオイルは「カッチリ」したシフトタッチになります。

(あくまでシフトタッチの話。オイル粘度は同じです)

それとは別に、トランスミッションの状態や、ライダーの好みにもよっても変わると思います。

ちなみにギアオイルは鉱物油(鉱物油と化学合成油をブレンドした半化学合成油)が一般的です。2スト用エンジンオイルと比較した場合、ギアオイルはより高い耐圧性能、耐摩耗性能が求められます。

5,応力分散
一部分に強い力がかかる際、エンジンオイルがクッションの役割をして、ショックを吸収し、力を分散します。

https://inuiyasutaka.net/bikeblog/engineoil

Q.2スト用エンジンオイルをギアオイルとして使っていい?

NGです。

ミッションが摩耗してもいいなら、使えなくはないですが、お勧めしません。

2スト ギアオイル 一覧

筆者が自分用にまとめた、主要なギアオイルのまとめです。

粘度の表示方法が一部、規格によって異なりますが、いずれも10W-30 or 10W-40。

2ストのギアオイルとして一般的なオイル粘度です。

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入手しやすさと価格で選ぶならヤマルーブでしょう。

もちろん、ホンダやカワサキ、スズキなど他メーカーに使用しても問題ありません。

4ストロークスクーターの後輪ファイナルギヤボックスや2ストロークエンジンのミッション室に使用可能な潤滑用オイル

極圧性が良く、また油膜強度も高く、酸化安定性にすぐれ、ベアリングの腐食や磨耗を防ぐアワ立ち性がきわめて少ない特性をもっています。

ワイズギア公式

筆者もヤマルーブを何回かLEOに使用しましたが、可もなく不可もなくといった印象。現在のシフトタッチに不満がない人はこれで十分だと思います。

ギアが入りづらいとか、癖がついている場合、不向きかもしれません。

リキモリはドイツの潤滑油メーカー。2輪世界最高峰ロードレース「Moto2」「Moto3」クラスで使用されるエンジンオイルを供給しています。

自動車では、BMWやベンツ、ポルシェの認定オイルとして知られています。

厳選されたベースオイルにあらゆる状況に対応できる添加剤を加えた高性能・高耐久性ギアオイル

ミッションオイルや、ドライブオイルとして幅広く使用可能です。レース車両~スクーターなど、あらゆる車両にお勧めです。

内容量:1L
分類:ミネラル
品番:20857

LIQUI MOLY 日本正規代理店 株式会社谷尾商会

現行2ストローク エンデューロバイクを販売するKTM・ハスクバーナの指定オイル。

エルフとならんで、市販オイルの中では試したい候補の一つ。

鉱物油をMOTOREX社独自のテクノロジーによるMC(分子変換)製法で、100%化学合成に近いパフォーマンスを実現。2サイクルバイクミッションのスムーズなシフトチェンジを可能にします。

●鉱物油
・粘度:80W-85(エンジンオイル粘度:10W30相当)
・基油:鉱物油
・容量:1L
・用途:オートバイ用ギヤオイル
・API:GL-4

モトレックス デイトナ公式

かつてハスクバーナの指定オイルだったベルレイのギアオイル。

ベルレイは現在もオフロードユーザーに支持されていて、アメリカの企業Calumet(カルメット)社のオイルブランドです。

SAE:75W, 80W

湿式クラッチを備えたすべてのオートバイ トランスミッション用に開発されたギアオイル。クラッチの冷却を向上させ、高負荷のギアを摩耗から保護します。滑らかなシフト動作を確保しながら、クラッチ寿命を長くします。

  • トランスミッションギアを摩耗から保護する極圧性と耐摩耗性、低摩擦性能
  • 確実なクラッチの噛み合わせにより、始動性が向上し、クラッチ寿命が長くなります
  • シャフト、ベアリング、ギアを保護します
  • 空冷/水冷2T/4T湿式クラッチトランスミッション用
ベルレイ公式

エンジンオイルが良かったので試してみたい候補の一つ。

2ストローク車のギヤボックス向けに専用設計されたギヤオイル
スクーターのギヤオイルとしても最適!

寒冷時でも確実でスムーズなギヤチェンジが可能となり、安定したライディングを実現します。

耐熱性能、酸化防止性能、耐腐食性能、せん断安定性能に優れ、摩耗を減らします。

最適な摩耗係数によりクラッチの滑りを防止します。

SAE: 10W-40

2ストローク車用

スクーター用

部分合成油

パッケージ: 1L

エルフ・ジャパン公式

エンジンオイル粘度 SAE 10W-30/ギアボックスオイル粘度 SAE 80

トップクラスのモトクロスレーサーの間で、使用ユーザーの多かったモチュール。

エンジンオイルと異なるオイルを使用する湿式クラッチ付きギアボックスのために特別に調合されています:ギアボックスケースはエンジンのクランクケースから分離されています。


すべてのタイプのオートバイ。ロード、トレイル、クロス(2または4ストロークエンジン)、エンデューロ(2または4ストロークエンジン)、モペット、スクーター、クワッド、ATV、UTV…など。

モチュールジャパン公式

わずか190kmしか使用していないのでコメントしづらいですが、LEOで試したかぎりでは、ヤマハのギアオイルと大差ないと感じました。

元世界GPワークスライダー メカニックのお勧め。NSRやTZR、RGVガンマ、アプリリアRS250などはこれ一択かも?

A.S.H.PSE GEARアッシュ PSE ギア

部分エステル化学合成ギアオイル

エステルと鉱物油を合成させたギアオイル。エステル独自の極性基の作用により、ギアへの高負荷・高荷重を緩和。

ジェイシーディジャパン公式

参考情報

ほかの2ストユーザーが、どのギアオイルを選んでいるかを掲載しておきます。(当サイト調べ)

1位:ヤマハ
2位:モチュール
3位:アッシュ

便利グッズ

リアサスを発売しました

NSR250R ’88-’89’ MC18用 ME302

TZR50 3TU用 MB302

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