乾ヤスタカ|コアなバイクブログ

2ストオイルの選び方とおすすめ

お勧めの2ストオイル

バイク用2サイクルエンジンオイルの選び方と、筆者の独断と偏見による、おすすめオイルを紹介します。

本記事のトピック

・一般的なバイクコラムや、雑誌には書かれていないエンジンオイルの話(4ストにも共通する、知って得するオイルの裏話)

・オイルテスト歴数十年、その数400以上の元国際A級モトクロスレーサーに疑問をインタビュー「良いオイル」の条件とは

・メジャーなオイルはもちろん、ハードコア向け?のオイルも登場

・失敗しないオイルの選びかた

・エンジンオイルによって消費量は変わる?

焼き付きや、不調の原因になるよくあるミステーク

・ キャブセッティングとオイルの関係

テスト車両はタイカワサキ製 LEO120SE。走行シーンは市街地走行とツーリング。

できるだけイコールコンディションになるように、キャブレターの分解清掃とセッティングが出ている状態でテストしています。

おかげさまで本記事の閲覧数が2万を超えました。ありがとうございます。

年々、純正部品も、2ストを扱うショップも減るいっぽうですが、少しでも長く乗り続けられるよう、本記事が役に立てばさいわいです。

目次

おすすめの2ストオイルとインプレッション

過去にはホンダ・ヤマハの純正オイル、カストロールシリーズ、エルフ、レプソル(あとは忘れました)などを使用していましたが、なにぶん昔の話なので、2020年から比較したオイルを紹介します。

番外編 2ストが現役だった時代のオイル

20年ほど前の雑誌に掲載されていた2ストローク用エンジンオイルの一覧。

現在とはちがい、2ストが終わる2001年ぐらいまでは数多くのオイルがラインナップされていました。

2スト エンジンオイル一覧

当時、いろいろ試した中で一番のお気に入りは、レプソル(26)だった。焼けたアーモンドの香りがしていたからだ。

2スト エンジンオイル比較

カストロ(3・4・5)、エルフ(6・7)は全てテストしたように記憶している。

2スト エンジンオイル一覧

一時、V字のスパークプラグで話題になったスプリットファイア社はオイルも販売していた。金(30)と銀(29)があって、友人がそれぞれ試していた。

残念な結果だったカストロール

当初、LEOに入っていたのはホームセンターオイル。しかし空冷エンジンで真夏の走行は不安すぎるため、まずは入手しやすいカストロールから試すことにしました。

POWER1 RACING 2T 500ml

残念だった理由:
スペックデータ上は同社の「POWER1 2T」より引火点が低く、カーボン蓄積が減るかと期待したが、実際に走行してみると、プラグのカーボンの蓄積が最も多かった。

POWER1 2T 500ml

残念だった理由:
匂いは少し甘めで悪くはなかったが、「POWER1 RACING 2T」と同じくカーボン蓄積が顕著だった。

(あくまで筆者がLEOで試した場合の話です)

再検証の結果

キャブレターを再セッティングして、POWER1 RACING 2Tの再検証をおこないました。セッティングの方向性としては若干、薄めになっています。

秋・冬で、ほかのオイル同様、市街地走行メイン。しっかり回して走ると、プラグの焼け具合は良好。つまり比較的、「濃く」なるオイルのようです。

都市部など渋滞の多いところ、あまりエンジンを回さない人には不向きかもしれません。

再検証の結果を踏まえても、「悪くはないけど・・・すごく良いわけでもない」という感じでした。

1本500mlなので割高感があるのと、「全合成油」という表示方法が気になるところではあります。

オイル表示のくわしい話は下記の記事でお伝えしています。

お気に入りのオイル

カストロから変えて「これはいい!」と思ったピュートライン(オランダ)のエンジンオイル。

当記事で紹介したら、直後に売り切れになってしまいました。(輸入元いわく2021年12月の時点で再入荷の予定なしとのこと)

ESTER TECH RS 959
ESTER TECH RS 959

そこで、この令和の時代に、代わりの2スト用オイルを探すことになりました。

テストしたエンジンオイル

テストした順番に

1,ホームセンターオイル
2,POWER1 2T(カストロ)
3,POWER1 RACING 2T(カストロ)
4,ESTER TECH RS 959(ピュートライン)
5,ウルトラスーパーファイン(ホンダ)
6,MOTO2 OFF ROAD(エルフ)
7,MOTO2 TECH(エルフ)現在使用中

LEOを借りた時に入っていたホームセンターのスクーター用2サイクルオイル(メーカーは忘れた)は、プラグの焼けを見るかぎりでは、悪くありませんでした。

ただし、気持ち的に真夏の走行で心配になるのと、回して走る際に不安。

で、自分でいろんなオイルをテストしてみたものの、あまりピンとくるオイルがない。(RS959は無くなったし)

そこでプロにアドバイスをいただくことにしました。

あまり公開したくない内容ですが、記事を読んでくれているあなただけに特別にシェアします。

今回インタビューした元国際A級モトクロスレーサー

・ノービス時代、世界GPレーサーを輩出した名門レーシングチームからロードレースに出場。いきなり国際A級ライダーをぶち抜いて周囲を驚かせた。

監督に「(相手にも)メンツってものがあるんだから、(観客が)観ていないところで抜け」と注意されたという。

・驚いた先輩レーサー(スガヤチャンバーの菅谷さん、SP忠男の鈴木忠男さん)たちに不正改造疑惑を持たれて、バイクを分解して見せたところ、納得して帰って行った。後日、「あいつと同じバイクをつくってくれ」と先輩レーサー(鈴木忠男さん)からチームに依頼があった。

・その後、モトクロスに転向。カワサキ、スズキ、ヤマハの2スト モトクロスレーサーに乗っていた。(この頃からオイルテストをはじめた)

・排気量・車種無制限のエンデューロレースに50ccの市販バイク(ノーマル)で出場して、優勝した超有名エンデューロライダーのメカニックを務めた。

・レース引退後も、数十年にわたって某有名潤滑油メーカー(2社)のエンジンオイル400〜500種類以上をテストしている。

ちなみに、レースで国内バイクメーカーも知らないスペシャルオイルをテストし、驚いてやって来たメーカーの担当者にアドバイスしたり、チューニングやセッティングを指南した経験もあるそうです。

(キャブレターのとある機構は、自身が考案したものを某メーカーに教えたらそのまま採用された)

メーカーのお偉いさんが、頭が上がらない人ですね。

あえて名前は挙げませんが、有名どころのオイルをテストしては、エンジンを分解してチェックしていたそうです。現役時代から付き合いのある超有名潤滑油メーカーからは、いまだにテストの依頼が来るとか。

(メーカーのテストライダーはいるけど数年間、開発が足踏み状態だったりする)

2ストオイルの選び方

一般的によく知られている選び方だと、

  • メーカーやブランドなどイメージで選ぶ
  • オンラインショップのランキングで選ぶ
  • オイルグレードで選ぶ
  • やっぱり純正オイルが一番!

こんなところでしょうか。

オイルに関する基本的な知識や、グレードについては以下のサイトをご覧頂くとして

基本を踏まえた上で、オイルのテストや開発をしていたプロから教わった、2ストオイルの選び方や判断基準をお伝えします。

2ストのエンジンオイルの位置づけは?

国際A級ライダーレベル(全日本モトクロスレース)のレースでは、まずはキャブレターのセッティングを詰めていって、詰め切れない部分を最後にオイルで味付けするそうです。

たとえば、キャブでは調整しきれないトルクの谷を、オイルでおぎなったりですね。

本当にすごいオイルは、オイルを換えただけでエンジン性能が変わってタイムが縮むため、ほかのレーサーや、バイクメーカーの担当者が「一体、なにをやったんですか?!」と驚いて、聞きにやって来たそうです。

一時期、レース用オイルとほとんど変わらない性能で、分離給油で使えるスペシャルオイルがあったのですが、2ストバイクの生産終了が決まったため、メーカーも生産しなくなったそうです。

おしいですね。

オイル特性のちがい

かんたんに言うと、オイルによって標準・濃い目があります。キャブセッティングを濃い目にすると、トルク感が増すのと同じように、濃い目のオイルを使用すると、似たような効果があるイメージです。

良いオイルとは?

プロから見た良いオイルの条件、定義を聞いてみました。

「市販オイルは、レースで使用するのとは別物(多くが非売品)だから、一般の人向けに売られているオイルから、良いものを見つけるのはむずかしい。本当に良いオイルは換えてすぐわかるからね」

なかなか、手厳しい意見です。

「400から500種類以上もテストしたら、誰だって(違いが)わかるよ」

とおっしゃっていましたが、なかなか私たち一般ユーザーにはむずかしいものがあります。 市販オイルの中から、選ぶしかありませんからね。

そこで、私たちにも判断できるポイントをいくつかうかがってきました。

オイルの色、匂い、煙の量と性能の関係

それぞれの関係性について。まずは色。

エンジンオイルは原油から精製されますが、色は透明、もしくはうす茶色です。

しかし、販売されているエンジンオイルには、蛍光イエローやグリーン、赤色のオイルもありますね。これらは、着色されているそうです。

つまり着色料が、エンジンオイルをつくる際に添加されているわけですね。

Q.オイルが焼けた時の匂いはどうなのか?

昔はストロベリーなど、匂いを売りにしたエンジンオイルが、ホームセンターなどで販売されていたそうです。

(現在もあるかもしれません)

植物油(ひまし油)など、もともと甘い香りがするものを除けば、意図的に匂いが付けられているオイルには、香料が入っている、と言うことになります。性能を追求した場合、余計なものですね。

Q.煙はどうなのでしょうか?

煙が多い・少ないについては、バイクごとに設定されたオイルポンプの吐出量が違うため、煙の量だけでエンジンオイルの性能を評価できないそうです。

技術的には煙に着色できるそうです。花火の煙幕みたいに、黄色くしたり、赤色にしたり・・・という話を過去に、オイルメーカーの開発担当に提案したそうですが、さすがに煙に色をつけるのはメーカーも難色を示していたとか。

ここまでをまとめると、余計なものが入っていないオイルが比較的、良い市販オイルという事になります。

ほかにも「価格」がありますが、またのちほど。

エンジンオイルに色をつけるのは、消費者にインパクトを与えるための宣伝的な意味合いもありますが、オイルが漏れた際、わかりやすくするという目的もあります。

バイクにはさまざまなオイルが使われますが、エンジンオイル、ミッションオイル(ギアオイル)、フォークオイル、ブレーキフルードなどが全部、無色透明だと、それはそれで不便ですからね。

混合ガソリンをつくった際、通常のガソリンと色で区別する目的もあります。

エンジン不調が原因の場合も

ある程度、走行距離を走っていたり、なんらかの理由でエンジンのダメージが大きい場合、圧縮不良によって燃焼温度が低下し、白煙が増えているケースもあります。

オイルの吐出量はなんらかの意図があってメーカーが設定しているため、やみくもに触らないほうがいいでしょう。エンジン焼き付き(故障)につながります。

KH400 シリンダーヘッド
KH400 シリンダーヘッド

オイルポンプの故障により、焼き付く寸前だったカワサキのKH400。ヘッドにはびっしりとカーボンが蓄積していた。

KH400
空冷2ストローク ピストンバルブ並列3気筒。生産・販売期間:1975年-1982年

KH400 ピストン
KH400 ピストン
KH400 ピストン
KH400 ピストン

とくに2番ピストンが大きく損傷していた。エンジンオーバーホールして、混合仕様に変更。

2ストエンジンオイルの消費量

本題とは少々、離れますが「エンジンオイルによって、オイルの減りは変わるか?」について触れておきます。

「○○のオイルは、オイルの消費が早い」とか、よくレビューで見かけますよね。

実際のところ、どうなのか?

結論からいうと、変わりません。2ストロークエンジンは、エンジンの回転数やスロットル開度によって、オイルポンプの供給量が制御されているからです。

オイルポンプ KH400
KH400のオイルポンプ

2ストのインジェクション車(KTMやハスクバーナなど現行車)は、エンジン回転数とスロットル開度を、ECUが読み取ってオイルの吐出量を調整してくれます。

ECUとは
エンジンの運転制御を電気的に制御するマイクロコントローラー(マイコン)。

ほかにも、エンジンコンピューター/エンジン・コントロール・ユニット/エレクトロニックコントロールユニットとも呼ばれる。

ECUも使っているオイルの粘度までは検知できないと思います。

そう考えると、20年以上前の古いキャブ車のオイルポンプが、エンジンオイルの粘度を検知して、自動的にオイル吐出量を補正してくれるかというと・・・

そこまで高度な機能を備えた2スト市販車は、おそらくないと思われます。

ですので、もし「オイルで消費量が変わった」という場合、考えられるのは先ほどお伝えした、オイル特性のちがいによるスロットル開度のちがいや、常用するエンジンの回転数が変わった事が要因として、大きいのではないでしょうか。

(もちろん走るシチュエーションや、気温など環境面のちがいも影響してきます)

わかりやすくいうと

ホームセンターオイルの場合:「あまり回すと心配だから、抑えめで走ろう」→エンジン回転数は低め、アクセルもそれほど開けない→オイル消費が遅い

いいオイルの場合:ガンガン回す→エンジン回転数高め、アクセル開け気味→オイル消費が早い

こんなイメージです。(実際の筆者の例)

オイル選びでよくある2つの誤解

失敗しないオイル選びに入る前に、よく言われている意見や、考え方について検証します。

1,メーカー純正オイルが一番、良い

半分正しくて、半分まちがっています。理由を説明する前に、オイル業界の仕組みについて解説します。

まず、純正オイルをつくっているのはバイクメーカーではなく、潤滑油会社です。OEMですね。

OEM(オーイーエム、英: original equipment manufacturer)は、他社ブランドの製品を製造すること、またはその企業である。Wikipediaより

イメージとしては、バイクメーカーが潤滑油会社に対し「こういうエンジンオイルをつくってくれ」依頼して、潤滑油会社は、リクエストに沿った仕様のエンジンオイルをつくって、メーカーに納入。

納入したオイルは「バイクメーカー純正オイル」(いわゆるPB(プライベートブランド)商品)として流通します。

(工業製品にかぎらず、飲料品や食品、化粧品やサプリなど多くがこの方式で製造・販売されてます)

では、いわゆる社外オイルはどうなっているのかというと、大きく2つあります。

潤滑油会社(いわゆるオイルメーカー)

A.自社に工場を持っていてオイルの製造・開発すべてをおこなっている(原油を仕入れて自社で精製する)

B.自社に工場を持たないブレンダー

おおまかに、どちらかです。

いわゆるメーカー純正オイルは、Aの潤滑油会社が製造します。潤滑油会社は、ほかのメーカーのオイルもつくりますし、自社ブランドのオイルも製造・販売します。

有名なのは三和化成工業ですね。

鈴鹿8耐 Team KAGAYAMAの使用オイル「ベリティ」ブランドで知られる。日本の大手自動車メーカー、バイクメーカーの純正オイルを手がけているメイド・イン・ジャパンの老舗潤滑油会社。

同社は自社に工場を持ち、原油の精製から開発まで自社でおこなっています。

いっぽう、ブレンダー(B)は自社工場を持たないため、自社ブランドの開発・販売をおこない、オイル製造は工場を持つ潤滑油会社に委託します。

で、純正オイルの話に戻しますが、性能を突き詰めた場合、純正オイルでは限界があるそうです。

コストの限界ですね。

いまやバイクのメイン市場は、日本以外のアジア圏にシフトしています。

日本国内であれば比較的、流通がしっかりしてるので純正オイルなら大抵、どの地域でも入手できると思います。ところが、発展途上国など、海外だと日本の当たり前が通用しません。

オンラインショップで注文すれば、どの地域でも配達してくれるとはかぎらないですし、日本みたいにあちこちバイクショップがあったり、バイク用品店があるわけじゃないですからね。

販売価格の面でも日本と比較して、所得の低い国や、地域もあります。

つまり日本だけじゃなく、輸出先の事情も考慮した上で、価格設定する必要があるわけです。

ところが、オイルは性能を追いかければ追いかけるほど、ごく一部の人にしか手の届かない価格になってしまいます。メーカー純正オイルが高額だと、さすがにまずいですよね。肝心のバイクが売れなくなります。

なので、コストを重視せざるを得なくなります。

ただ、一般的な(メーカーが想定する範囲内の)走り方、使い方をする人にとっては、純正オイルで十分です。

それ以外の人には「純正オイルではものたりない」という事になります。

もし純正オイルが、自社のバイクに最も良いのであれば、MotoGPを初めとする全てのレースで、ホンダ車はホンダのオイル、ヤマハ車はヤマハの純正オイルを使っているはずですからね。

でも、過去(世界グランプリが2ストロークだった時代)も現在も、そうじゃないでしょう?

具体的に、どんな場合に純正オイルが良くて、どんな場合に社外オイルがいいのかは、あとでお伝えします。

オイル性能と価格の秘密

「高いオイル=高性能は本当なのか?」

ここで取り上げる「高いオイル」とは、いわゆる社外オイルになります。

KTMやハスクバーナ、ドカティやハーレーなど外車は、日本車のようなバイクメーカー純正オイルがありません。なのでメーカー指定オイルは、社外オイルです。

日本車も(4ストの場合)いわゆる旧車・絶版車は粘度の指定や、規格の指定があるだけで、純正オイルが存在しないバイクもあります。

では、社外オイルの価格を大きく左右する要因は、なんだと思いますか? これ、私の知るかぎり、インターネット上で取り上げている人を見た事がないです。

答えは、エンジンオイルをつくる際に添加する、添加剤の品質

・・・ではなく、原油の仕入れ量です。

どの潤滑油メーカーも原油(石油)は国外から仕入れるのですが、たくさん仕入れるほど、コストが安くなります。

仕入れが安くなるという事は、製品にコストをかけることができるわけです。

市販エンジンオイルの価格って、ある程度、市場価格がありますから、あまりにも市場価格から逸脱してしまうと、売れなくなります。

だからメーカー純正オイルほどではなくても、市販の社外オイルも(販売戦略上は)コストの制限があります。

たとえば1ℓ/3500円で販売するオイルをつくるとして

1,原価1ℓ/1600円−3500円=1900円(開発予算)
2,原価1ℓ/2000円−3500円=1500円(開発予算)

ドラム缶1本が200ℓですから、換算すると

1,38万円
2,30万円

かなりシンプルに計算していますが、8万円も開発予算に差が出ることになります。どちらがより高品質なオイルをつくることができるか、一目瞭然ですね。

ある中小潤滑油会社の方が「(某大手のフラッグシップオイルと)同じ性能のオイルを私たちがつくろうと思ったら、価格を上げないと無理。原価がぜんぜん違う」と仰っていました。

もちろん、実際の製品コストは原油の仕入れ価格だけではなく、使用する添加剤や製品パッケージ、広告宣伝費などの営業経費、人件費その他、もろもろの経費が関わってきます。

その中でも原油価格はかなり大きなウエイトを占めるそうです。

このように考えると、今までとは異なる視点でエンジンオイルの価格を見ることができます。

A.販売価格 1ℓ/1000円のオイル
B.販売価格 1ℓ/3000円のオイル

シンプルに考えると、Bの3000円オイルのほうが高性能といえます。

(高性能である事と自分のバイクに合うかどうかは別ですが、その話はまた後で)

では、次です。

C.販売価格 1ℓ/3300円のオイル
D.販売価格 1ℓ/3500円のオイル

あるいは

E.販売価格 1ℓ/2000円のオイル
F.販売価格 1ℓ/2200円のオイル

同じ価格帯のエンジンオイルの場合、どのように判断できるでしょうか?

そうです、原油の調達コストですね。

といっても、原価は製品パッケージには書いてありませんから、エンジンオイルの販売メーカーの規模で推察することになります。

大量販売している比較的、中堅から大手のオイルメーカーなら、ロット数が多いためコストが抑えられます。いっぽう、中小のオイルメーカーは小ロットのため、調達コスト(原価)が高くなる傾向にあると考えられます。

ちなみに、以上の話は2ストにかぎらず、4ストにも共通する話です。

1つの考え方に固執すると、ほかを見失う

ここまで読んでくださっている読者の方に筆者がお伝えしたいのは、あまりバイクメディアや、販売店、広告、うわさ話を鵜呑みにしすぎないほうがいいよ、という事です。

答え(に見えるもの)を信じすぎないほうがいいというか、結論だけを追いかけないほうがいい。

というのは、物事にはいろんな角度があって、いろんな考え方があるからです。答えは1つではなく、時と場合によって、つねに変化します。

1つの視点、1つの考え方に執着すると、ほかのことが見えなくなって、大きな失敗をする事になりかねないからです。

本記事や、ブログでお伝えしていることも、複数の視点の一部です。ただ、ご自身にとって最適な判断をするための考え方を伝えているつもりです。

記事を読む前と今では、オイルに対するとらえ方が変わったでしょう?

自分に合うオイル選び3つのポイント

「結局、どういう基準でオイルを選べばいいのか?」

「自分のバイクにはどのオイルが適しているのか?」

いよいよ、総まとめに入ります。

結論から言うと、

自分の走行シーンや、走り方に合ったエンジンオイルを選ぶ

ということになります。

まぁ、4スト用エンジンオイルと考え方は同じです。べつに好きなブランドで選んでもいいし、純正オイルでもいいと思います。

ただ、ここだけは抑えておいた方がいいと思う3つのポイントをお伝えします。

一般公道での走行、ノーマル車両を前提とした話です。

ポイント1:実際の乗り方とオイルが合っているか?

いわゆる社外オイルで、スポーツ走行・レース向けにつくられたオイルは「エンジンを高回転まで回した連続走行」を想定して開発されています。

(さきほどの例でいうと、濃い目のオイル)

にもかかわらず、ストップ&ゴーの多い市街地での走行がメインだと、私の例(カストロ)のように、プラグやエンジン、マフラーにカーボンが溜まりやすくなります。

ただでさえ、低回転での走行が多かったり、短い距離しか走行しない、高回転まで回さない乗り方をする人のバイクは、カーボンが溜まる傾向にありますからね。

とくに250cc以上の2ストバイクだと、一般道で高回転を維持して、走行するのは現実的に不可能だと思います。

ですから、あまりエンジンを回さない(回せない)人や、都市部など信号待ちや渋滞が多く、アイドリング時間が長い場合、メーカー純正オイルか、社外のストリート向けオイルを入れた方が無難です。

失敗事例:用途と走り方のミスマッチ

筆者が仕事で2ストのジャイロキャノピー(スクーター)に乗っていた頃、こっそり社外オイルを入れて走っていたら、決まってマフラーにカーボンが詰まってしまい、バイクショップのオヤジさんに「社外品はダメ、純正オイルにしときなさい」と叱られたものです。

「スクーター用なら社外オイルでもいいだろう」

と思って、試しにカストロのスクーター用オイルを入れてみましたが、やっぱり詰まってしまい、また叱られるという結果になりました。素直に純正オイルを使ったら、詰まらなくなりました。

※全開走行がほぼ皆無で、渋滞が多く、信号待ちが多いことも影響していたと思います。

ホームセンターなどで販売されている「スクーター用のオイル」は、さきほどのレース用オイルなどと逆で、あまりエンジンを回さない使用環境を想定して、つくられたオイルです。

(オイルによっては注意書きに「高回転での連続走行には向きません」みたいな事が書かれています)

ですが、スクーター以外に使用できないという意味ではありません。

むしろ高回転まで回さない方、回せない方に合ったオイルです。

(ちなみにRZV500に乗っていた時、やはり購入したYSP店で「ヤマハ純正オイルにしたほうがいい」と言われました。まぁ、渋滞の多い大阪市内ではとても回せないですからね)

ありがちな失敗事例

高いオイルを入れる(どちらかといえばレースやスポーツ走行向け)

→エンジン(ピストン、ピストンリング)や、チャンバーにカーボンが溜まる
→焼きつきを含むマシントラブルが起きやすくなる

といったパターン。

では、50ccから125ccの2ストバイクの場合はどうか?

基本的な考え方はこれまでお伝えしたとおりです。

ただ、原付クラスのMT車は、250cc以上とちがって非力なため比較的、エンジンを高回転まで回して乗る人が多いと思います。

高回転を多用する前提でいうと、スクーター用オイルではないメーカー純正オイルか、あるいは社外オイルを試してみるのもいいと思います。

4ストみたいに低回転ですぐにシフトアップするような走り方ではなく、しっかりパワーバンドを使って加速しながら走れる方ですね。

排気量とエンジン寿命の関係

一般的には小排気量ほど、エンジンを回して走るため、エンジンへの負担は大きい。125cc→250cc→500ccと、排気量が大きくなるにつれて、エンジン寿命は長くなる傾向にある。(2スト・4スト共通)

同じ120km/hで走った場合、125ccと1400ccでは、エンジンの負担がぜんぜん違います。

ポイント2:分離給油用オイルを使う

念のために書いておきますが、2サイクルエンジンは分離給油と混合があります。

https://autos.goo.ne.jp/column/1034722/

ガソリンとエンジンオイルを一定の割合で混ぜて、ガソリンタンクに注ぐのが混合。レース車両や、一部の市販車(ベスパ、モペットなど)に採用されている方式です。

それに対して、公道走行用の2ストバイクのほとんどに採用されているのが、分離給油方式。

エンジンオイルを入れるタンクから、ポンプでオイルを送ってガソリンと混ざります。混合仕様のように、自分で混ぜる必要がない代わりに、エンジンオイルを切らさないよう、継ぎ足す必要があります。

で、注意していただきたいのは、分離給油のバイクには、かならず分離給油用のオイルを使うこと。混合専用エンジンオイルを使用しないことです。

もし、混合専用の2ストエンジンオイルを分離給油のバイクに入れた場合、オイルの粘度が高すぎて(オイルが固い)、ポンプでオイルを送ることができず、最悪の場合、エンジンが焼き付くことになります。

例外として、分離給油のバイクを混合仕様(オイルポンプをキャンセル)にしている場合は、混合専用オイルが使用できます。

ちなみに、分離給油と混合給油を比較した場合、耐焼き付き性に優れるのは混合です。

ポイント3:理論と実際はちがう

さきほど紹介しましたが、エンジンオイルの性能はある程度、オイルメーカーのデータシートで判断できます。

粘度指数が高いほど、潤滑性能に優れているとか、引火点が低いほど燃焼しやすく、カーボンが溜まりにくいとかですね。

ただ、それはあくまで机上の理論。

実際に走ってみると、理屈に合わないことが多々、あります。

事実、LEOで試したカストロのオイルは、データシートを見て選びましたからね。でも、実際に走ってみると、プラグを新品にしようが何をしようが、カーボンが溜まりました。

(ほかのオイルだとならない)

注:キャブセッティング変更後、再テストでちょうど良いという結果になりました

最終的な判断は、実際に走ってみないとわからない部分もあるという事です。

それと、走った後に毎回、エンジンを分解するわけにいきませんから、自分の感覚やプラグの焼けなどから、どのように判断するか?

それによっても、評価が変わると思います。

プロのキャブセッティングと理論のちがい

たとえば、キャブセッティングの場合、理論上は「プラグがきつね色になるのが良い」とされています。

自分でキャブレターをセッティングする場合、メインジェットなどを交換し走行し、プラグを外して、焼け具合を確認する、ということを繰り返した経験がある方もいると思います。

ところがプロの実務を注意深く見ていると、根本的な考え方からして、アマチュアとは違うんだなと実感しました。

たとえば、国際A級レベルのモトクロスレーサー、エンデューロレーサーだと、早くアクセルを開けたいから、濃いセッティングを好むライダーもいるそうです。

公道でもアクセルをどれくらい開けて走るか、乗り方や常用回転域はライダーによって違います。

つまり最適なセッティングは、ライダーや目的によって異なるという事です。

筆者がおどろいたのはキャブセッティング(2スト・4スト)で、プロはほとんどプラグを見ないこと。エンジンのレスポンスや、実走行で判断し、良いところに調整している。
プラグは念のため、確認として見る程度。

2ストプラグ 焼け色
LEO120SEのプラグ 複数の角度から撮影

キャブレター再セッティング後のプラグ。撮影は秋。その後、真冬・春でもプラグの状態は大きく変わらず。真夏でほんの少し、くすぶり気味になる程度。

実際の乗り味は、国際A級ライダー仕様?なので、再セッティング前とはまるで別物。キビキビ走るようになった反面、より繊細なアクセルワークや、正確なブレーキ操作、ドライビングが求められる。

現在の筆者にとっては楽しいバイクだが、免許取得したばかりの頃に乗ったら、危なくて乗れないと思う。

もう一つ、大事なこと。

公道走行でキャブセッティングを詰めていくと、エンジン焼き付きのリスクが高まる場合があります。

エンジンが完調ではない場合です。

完調ではないエンジン→キャブセッティングを詰める→より回るようになる→エンジンが焼き付く

こうした隠れたリスクがあるにも関わらず、エンジンの状態を無視して、理論上のベストセッティング(プラグがきつね色になる状態)を出すのは、かなり危険だと思うし、エンジンが壊れたら割に合わないと思います。

調子が良くなる=メリットばかりではない、という事は知っておいた方がいいと思います。

なにが正解かは前提条件によって変わる

ということです。

同じバイクに乗っているほかのライダーの意見でも、全く同じ状態のマシンで、全く同じ条件でテストしない限り、ちがって当然ですし、人によって重要視するポイントも違いますからね。

そういった意味でキャブセッティングも、オイル選びも、人によって「最適」が変わるのは当然だし、時と場合によって違ってくるものだと思います。

オイルの話に戻ると、価格を最優先する人がいてもいいし、純正至上主義でもいいと思います。

以上を踏まえた上で、続きを読み進めてください。

筆者のオイル選び基準

用途:主に市街地走行、たまにツーリング走行

価格:お買い物バイクなのでオイル単体でリッター3000円は高い。1500円から2000円ぐらいまでなら許容範囲

オイルに求める要素:優先順位の高い順
・とにかくエンジンを壊さない(カーボンが溜まらない)
・適度に高回転走行しても安心感がある
・刺激臭などがしないこと
・極端に煙が多くなければOK

スペック重視の人向け お勧めオイル

もし、私だったら「どのオイルをどういう基準で選ぶか?」という視点で挙げています。

(基本的にノーマル車を前提としています)

2ストエンジンの生産終了が相次ぐなか、積極的にオイル開発するメリットがメーカー側にないため、ポイントは「現在進行系で、ブラッシュアップされているオイルかどうか?」です。

モトレックス POWER SYNT 2T

2022年現在も公道用2ストロークエンジンのバイクを販売しているKTMや、ハスクバーナ(現在はKTM傘下)の指定オイルメーカーがモトレックス。

モトレックス(スイス)は日本国内でも40年以上前から定評のあるメーカーです。

オンロード向けのPOWER SYNT 2T(100%化学合成油)と、オフロード向けのCROSS POWER 2T(100%化学合成油)、入門グレードのFORMULA 2T(部分合成油)の3種類があります。

ストリートメインで、たまにスポーツ走行をされる方はCROSS POWER 2T、チャンバー交換やボアアップ車、高速道路などスポーツ走行メインの方ならPOWER SYNT 2Tがお勧めです。

高い潤滑性と清浄性を兼ね備えたLOWスモークオイル

100%化学合成油でキャタライザーテスト済。
分離、混合併用可能。25:1~100:3で調整ください。
●100%化学合成油
・用途:オートバイ用2サイクルガソリンエンジンオイル

公式 https://www.daytona.co.jp/products/series-S00728-genre

2022/9/24現在、Amazonは在庫切れのためリンクするとオフロード向け「CROSS POWER 2T」が表示されます。「POWER SYNT 2T」をお求めの方は、楽天市場かYahooショッピングをご利用ください。

少し余談。

2ストロークは1999年12月に

それにしても、令和の時代にインジェクションの2ストローク公道マシンを生産するKTM・ハスクバーナは熱いですね。

さきほどの元国際A級モトクロスレーサーの方いわく、1970年代の時点で、4ストのほうがタイム的に速いことはわかっていたそうです。ただ、どうしても2スト好きなライダーが少なくないため、メーカーも生産し続けたのだとか。

海外にも2ストフリークが多いので、KTM・ハスクバーナも生産し続けているのでしょう。

ほかにはBETA(ベータ)や、tmレーシングなどのイタリアメーカー、ガスガス(スペイン創業。現在はKTM傘下)が現行モデルで公道走行可能な2ストを販売しています。

かつてはビモータ(イタリア)が、夢の公道マシン「500V due」という2スト 500c Vツインのインジェクション車を発売するも、熟成不足により、倒産する悲劇に見舞われました。

もし現在、公道用NSR500 インジェクションモデルが発売されたら激アツなのですが。

と言ってたら、Vins社から250ccVツインがリリースされるようです。

https://young-machine.com/2022/02/15/294066/

CROSS POWER 2T

ストリート走行がメインならこちら。

CROSS POWER 2T

100%化学合成油でスロットルの開閉が激しいオフロード車用に開発されたオイル

分離、混合併用可能。推奨混合比は100:1までを実現。
●100%化学合成油
・用途:オートバイ用2サイクルガソリンエンジンオイル

公式 https://www.daytona.co.jp/products/series-S00727-genre

エルフ(elf)

モトレックスとならんで、昔から定評のあるオイルメーカーです。二輪ロードレース世界選手権(2ストローク)にも参戦していました。

4ストだと、カワサキの純正ハイグレードオイル「KAWASAKI Elf Vent Vert」冴速と冴強を供給しています。

現在、エルフの一般公道用(分離給油用)2ストオイルは2種類です。

オンロードでのスポーツ走行重視の方向け MOTO2 TECH

※筆者が現在使用中(レポートはまた後日)

・全化学合成油
・分離・混合両用
・推奨混合比:50:1〜25:1

レーサーレプリカ、モトクロッサー、スクーター、高回転エンジン、高回転を多用するライディングにお奨め。

化学合成油の採用と硬めの粘度設定により、優れた潤滑性と油膜形成を実現し、低温時のドライバビリティと耐摩耗性を強化。クリーンな燃焼特性によりデポジットの発生を抑制し、優れた潤滑性によりパワーロスを抑えます。

優れた化学合成油と添加剤の採用により、各規格のもっとも厳しい性能規格を余裕をもってクリアする最高水準の清浄性と摩耗防止性能を発揮。高油温の過酷な条件下においてもデポジットの発生を抑制。エンジン内をクリーンに保ち、各エンジンパーツを保護。

公式 http://www.elfmoto-lub.jp/aptitude/result.php

始動性:
保護性能:
パワー:
※評価はメーカーサイトより。

評価はあくまでエルフ社のほかの2ストローク用エンジンオイルと比較した場合の指標だと思います。

市街地走行メインで、たまにスポーツ走行する方向け MOTO2 OFF ROAD

しっかり回して走る方には、筆者のイチオシです。

・部分合成油
・分離・混合両用
・推奨混合比:50:1〜25:1

50cc〜250cc、オンロード・オフロードを問わず、スクーターからスポーツバイクまで幅広く対応。

化学合成油の添加と適正な粘度設定により、優れた潤滑性を発揮すると同時に、安定した油膜形成を実現。低温から高温時まで優れた耐摩耗性によりエンジンを保護。

各規格のもっとも厳しい性能規格をクリア。優れた清浄能力と燃焼特性により、スタート時の黒煙と排気ガス中の有毒物質を抑え、安定した出力を引き出します。

公式 http://www.elfmoto-lub.jp/aptitude/result.php

エルフのイメージが変わった

筆者が「MOTO2 OFF ROAD」を5,100kmほどテストした感じでは、冒頭のRS959と同等以上。カストロのPOWER1 RACING 2Tよりも断然、良かったです。

POWER1 RACING 2Tと比較して、まずエンジンの振動が減り、回転がスムーズになりました。

テスト前は「大して変わらないだろう」と思っていました。1990年代にエルフを使った時、あまり好印象ではなかったからです。

だから今回、使ってみて変化を感じたときは最初、勘違いじゃないか?と疑いました。

ただ、走れば走るほど、低回転から高回転までスムーズで、トルク感も全然ちがう。

交換前も、POWER1 RACING 2Tに交換後も、外気温は同じく20℃ほどで特別、気温が高い(濃くなった)わけではないので、気温による変化ではないと考えられます。

多くのメーカーが2ストオイルを製造中止したり、縮小していく中、エルフは進化してるんだなと感じました。「もっと走りたい」と思わせてくれるオイルです。

追記:35℃を超える真夏の炎天下における連続走行でも、難なく走れています。

始動性:
保護性能:
パワー:
※評価はメーカーサイトより。

以上、エルフかモトレックス、どちらかのメーカーを選んでおけば間違いないと思います。

ビジネスの世界では「マーケティング(宣伝)上手で売れているだけ」という事がよくありますが、少なくともエルフや、モトレックスに関しては、そういう心配がないと思います。

しかし、大手メーカー、有名メーカーのオイルがすべて良いかというと、4ストオイルの記事にも書きましたが、ダメなオイルもあります。

レース用と市販オイルが別物だったり、昔は良かったけど、会社が買収されて今は名前だけ・・とかですね。訴えられたら嫌なので具体名は書かないけど、いろいろあります。

めずらしい2ストオイル

「ほかの人とちがうオイルが良い」という方や、私のようにいろいろ試してみたい人向けのオイルを紹介します。

※筆者自身、まだ使ったことはありません

BARDAHL(バーダル)

アメリカのシアトルにある「バーダル・マニュファクチャリング・コーポレーション」は、創業1939年、80年以上の歴史を持つ潤滑油会社です。

MotoGPで6度の世界タイトルを獲得したバレンティーノ・ロッシがチームオーナーを務め、MotoGP参戦中の「ムーニーVR46レーシングチーム」において、バーダルはスポンサーとなっています。

ご紹介したオイルは、イタリアのバイクメーカー tm Racing(ティーエム・レーシング)の指定オイルです。

同社は4スト・2ストで「速さ」を徹底追求したオフロードマシンをつくることで知られています。

MOTUL 710 2T

イタリアのバイクメーカーBetaの推奨エンジンオイル

Moty’s(モティーズ) M171

東京の潤滑油会社、株式会社トライボジャパンのオイルです。 

ここ数年、ロードレースや、カーレース関係者の間で同社のオイルを目にするようになりました。社外オイルとしてはそれほど高くないので、機会があればテストしてみたいところです。

純正志向の方向け

「純正がいい!」という方向けの2ストオイルも挙げておきます。

スクーターやストリート走行メインの方向け

ストリートメイン、たまにスポーツ走行の方向け

GR2は、NSR250R(MC28)の純正指定オイルです。

混合専用オイル

混合仕様のバイクで公道を走る場合、これまで紹介した分離・混合用オイルでいいと思います。

サーキット走行をされる方向けに、混合専用オイルを紹介しておきます。

ロードレース世界選手権 2ストロークエンジンオイルで培った技術を維持し、レーシングカートのために開発された、エステル100%化学合成オイルです。

2000年WGP500ccクラス(2輪ロードレース世界選手権 現在のMoto-GP)世界チャンピオンのケニー・ロバーツJr.選手(スズキ)をはじめ各カテゴリーのシリーズチャンピオンマシンにガソリン、オイルを供給してきた、ニューテックのオイル。

CIK-FIA公認
2022年公認を取得しています。Reference No.121386/01

エステルベース
低温から高温まで幅広い温度域で高い潤滑力を誇り、シリンダー、ピストンリング、ベアリングを守ります。

ローフリクション
ニューテックオイル特有の、極繊細なオイル構造を持つNC-35Mは、保護力は高くても薄く潤滑膜を形成するので抵抗が少なく、シャープなレスポンスや、高回転の気持ちよい伸びを実現します。

燃焼しやすい
NC-35Mは良い燃焼を確保するので、エンジン内部のコンディションを維持しやすくなります。

基準混合比
燃料との混合比は25:1を基準に、ご使用のエンジンに合わせた適切な混合比を選択してください。濃いめの混合比では燃焼室内のカーボンが堆積しやすいため、注意して混合比を決定してください。

引用元:https://nutec.jp/products/engineoil/nc35.html

混合専用オイルのため、分離給油では絶対に使用しないでください。

エンジンを汚さない要因はオイル? ガソリン?

ある日本の科学者が2ストエンジンで実験したところ、エンジンにカーボンが蓄積する一番の決定打は、使っているエンジンオイルだったそうです。レギュラーとハイオクなど、オクタン値の違いはそれほど大きな差はありません。(出典

エンジンを長持ちさせるには?

ここまでエンジンオイルを中心に話してきましたが、実際にエンジンを長持ちさせようと考えるなら、ふだんの乗り方(始動から走行)にも意識を払いましょう。

オーバーホールで持ち込まれたエンジンを見ていますと、日常の扱い方で、エンジン寿命は大きく変わるからです。

(オイル性能がよくなった現代では、オイルだけが原因でエンジンが焼き付いたり、壊れることは皆無に等しいぐらい)

キャブレターやエアクリーナー、プラグ交換など、日常のメンテナンスも大事です。

結局のところ、1つ1つメンテナンスをきちんとおこない、適切な扱い方をすることが、バイクを長持ちさせることにつながります。これは2ストに限らず、4ストも同じです。

良かれと思って逆効果になることも

修理に持ち込まれる2スト車を見ていると、インターネットを見て、見よう見まねで自分でいじった結果、壊してしまうケースがあまりにも多い。

修理してくれるショップが見つからないため、やむなく自分で・・という場合もあるだろうが、よほど確信がないかぎり、オイルポンプや、キャブレターを自分でいじらないほうが賢明。エンジン焼き付きの原因になるし、もし故障した場合、部品が出ない事がよくあるからだ。

また、人からもらったバイクは、不調に気づかないまま乗っているケースが多いので、できれば2ストをよく理解しているショップにメンテナンスを依頼したほうがいいと思う。(長く乗り続けたい場合)

ちなみにエンジン焼き付きで多いのは、オイルポンプ故障 or オイルポンプ交換(取り付けミス)だ。

ガソリンタンクにオイルは逆効果

分離給油にもかかわらず、「万一の時の保険のため」などと、ガソリンタンク内にエンジンオイルを入れると逆効果。トラブルを誘発することになります。

必要以上のオイルが燃焼することで、ピストンにカーボンが蓄積しやすくなるからです。「素人にありがちで、余計な事をして、エンジンを壊してしまう」2ストのエキスパートがおっしゃってました。

ただし、サーキット走行など、アクセル全開で走り続けるような場合は有効な時もあります。

この場合、ガソリンタンクにエンジンオイルを入れると、焼き付き抑制になります。

2ストに最適な添加剤は?

私自身がテストして良いと感じているのは、昔から定評のある金属表面改質剤スーパーゾイルです。

クランクシャフトの振動が大きいLEOに使用すると、かなり静粛になりました。

こちらの記事でくわしく解説しています。

2ストの暖機運転

エンジンを始動して、アイドリング状態のまま、ヘルメットを装着して、グローブを・・・と、5分も10分も、アイドリングしているライダーを見かけることがあります。

2ストは始動したら、走りながら暖機する。

停車時なら、エンジンをしっかり回して暖機→その後、すぐ走り出すようにしないと、エンジンが冷えているため、未燃焼ガスが、クランクケースにたまります。

暖機すると近所に気まずい・・・という場合、できるだけアイドリング(低回転)状態で放置する時間を短くして、走りながらエンジンを暖めるのが賢明です。

いずれにせよ、エンジンがしっかり暖まって適度なクリアランスになるまで、急に高回転まで回さないようにします。

たまに「4ストとちがって、2ストは回しても焼き付かない」と思ってる人がいますが、焼き付きますのでご注意を。

お勧めの2ストオイル

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェアする
目次