YSSリアサスペンションME302の取り付け解説です。
5台のスパーダのリアサス交換をおこなった上で、もっとも作業難易度が低い方法を、注意点を踏まえた上で、お伝えします。
準備するもの
・ジャッキや、メンテナンススタンドなど、車体を安定させるもの
・トルクレンチ、メガネレンチ(インパクトドライバーがあればなお良い)
・マルチグリス
注意事項
1,ここで紹介するリアサス交換の手順は、あくまで一例です。参考情報として利用してください。バイクの状態次第では、紹介した以外の方法で、交換することが望ましい場合があります。
2,リアサス交換作業にあたっては、30年以上前のバイクということもあり、ボルトが固着しているケースが多いです。(インパクトドライバーを使用しても動かない場合も)
3,転倒や怪我のないよう、安全に配慮して作業をおこなってください。
リアサス取り外し方法
まず、リアサスを取り外すために、干渉するパーツを外す作業からスタートします。

シートカウルを外します。
続いて、車体の左側、サブフレーム付近。
リアサスペンションをとめている上部と下部のボルト、リンクを取り外せる状態にします。

写真はサブフレームのボルトを外して、リアサス上部にアクセス。ナット(18)を外した状態です。

パーツリストでいうと「16」と「18」になります。一度も緩めたことがない場合、固着している事が多い箇所です。

ナット(18)をメガネレンチなどで固定した状態で、ボルト(16)を緩めてください。ナットが外れたら、ボルトが抜けます。
もし、ナットが外れたのにボルトが抜けない時は、ナット側(18番側)に、ドライバーのような細い棒を通して、ハンマーなどで叩くと、ボルトが抜けやすいです。
ボルトを緩めて、取り外す
ごらんのとおり、リアサスを取り外す作業自体はシンプルです。ただ、ボルトを取り外すための工具を入れるスペースを確保すること、ボルトを抜くスペースを確保するのが、けっこう大変です。
車体の左側、サブフレームのすき間からうまく工具を入れて、ボルトが外せたらいいのですが、ガソリンタンクのホースや、配線コネクター、サブタンクなど、干渉する部品があります。
干渉する部品は、車体によって個体差があるため、必要なものだけ外したり、移動させてください。
手間を惜しんで強引にやろうとすると、破損につながるため、注意が必要です。
リンクの脱着
次にリアサス下部のリンクプレートですが、前出パーツリストの赤い矢印の箇所に刻印が入っています。



写真のように、リンクプレートの刻印を上向きにして組んでください。
リンクには向きがあります
スパーダのリンクは、車高を変更するため、意図的に純正とは違う組み方をされているケースがあります。
中古車を購入された場合、前オーナーによってリンクの組み方が変更されている場合があります。
分解前に確認の上、交換作業を行ってください。
YSSリアサスペンションに交換した際、へたっている純正リアサスペンションと比較して、乗車時(バイクに跨がって停止した状態)の沈み込み量が少なくなります。
リアサスが沈む量が少なくなる分、以前よりシート高が高くなります(正確には本来の高さに戻るだけです)。
要は、現在リンクを組み替えて、ちょうどいい高さだったとしても、リアサスを交換する事で、場合によっては足つき性が変化する可能性があるという事です。
もし、足つき性が悪くなるようなら、本来の位置でリンクを組むようにしてください。
リンクを取り外します。


スパーダのリンクは設計が良いのか、CB125Tと違って固着しないようです。(過去5台のスパーダを見る限りでは)

向きを確認して、リアサスを取り付けます。

リアサスペンション上下マウント部分のボルトには、モリブデングリスの塗布をお奨めします。(マルチグリスでも可)ボルトの固着を防ぐためです。
リンクのボルトも、必要に応じてグリスアップするといいでしょう。
外したパーツを元どおり組み付けたら作業完了です。
スムーズに進めば60分ほどで終わりますが、あちこちボルトが固着している場合は、それ以上かかる事もあります。
(やむなくリアホイルを外したこともあります)
ボルトが固着した場合の対処法
わたしたちが完全に固着したボルトを取り外す場合、ワコーズの業務用ラスペネを使っています。
古いバイクを扱っていると、リアサスペンションにかぎらず、固着したボルトだらけです。
固着したボルトやナットに吹き付けて数分、放置。再度トライすると、ほとんどのケースで、固着したボルトが緩みます。
商品をお買い上げのお客様は、取り付けで不明な点があれば、お問い合わせください。
有限会社 ガレージ湘南
TEL 0466-54-7213


