乾ヤスタカ|コアなバイクブログ

バイクのエンジン寿命 85,494km走行したバイクのエンジンを検証・解説

バイクエンジン寿命

エンジンオーバーホール2回、トータル走行距離85,494km。

中古で購入してから65,997km走行したCB125T改のエンジンを分解して、検証をおこないました。

60基以上のエンジンオーバーホール現場で得た、さまざまな事例を踏まえた上で解説しています。

本記事のメインテーマ

85,494km走行したバイクのヘッド周りはどうなっているのか? 汚れ具合と摩耗のチェック

・比較的、長持ちするパーツと要交換パーツ

・エンジン寿命の最大要因とは?

・有鉛ガソリンと無鉛ガソリン

これらをメインに取り上げていきます。

前半戦「腰上(シリンダーやピストン)編」はこちら

バイク紹介

cb125t 最終型

HONDA CB125T JC06最終型 2001年/空冷4ストロークSOHC二気筒 125cc(筆者のは142cc)

CBシリーズの元祖CB92ゆずりの高回転型エンジンを搭載したスーパースポーツ。小型限定普通二輪の教習車として長く採用されていた。

シリンダーヘッド

まずはシリンダーヘッドカバーを外した状態。

CB125T シリンダーヘッド
CB125Tのシリンダーヘッド

「汚なっ!」

それが筆者の第一声でした。想像していたより、汚れがひどい。

CB125T カムシャフト

かなりカーボンがたまっています。40基以上のエンジンを観てきましたが、前回のエンジンOHに続き、またしても筆者のCB150Tがワースト記録を更新してしまいました。

通常だと、ここまで汚れているヘッドはまず、ありません。

CBX400F カムシャフト
CBX400F
CB750F RC04 カムシャフト
CB750F RC04

CB750FやCBX400Fは、CBTより走行距離が短いとはいえ、ずいぶんと状態に差があります。

CB750 RC42 カムシャフト
CB750 RC42

およそ64,000km走行したRC42のカムシャフト。走行距離のわりに、よい状態でした。

CBTの汚れっぷりに思い当たる点はいくつかありますがその前に、前回OH時の状態を見てみましょう。

2回目のエンジンオーバーホール時

2017年11月 66,724km

CB125T シリンダーヘッド
洗浄する前のシリンダーヘッド
CB125T シリンダーヘッド
洗浄する前のシリンダーヘッド

この時もエンジンの状態を見て驚きましたが、「継続使用したガソリン添加剤の影響が濃厚」と、まだ要因がはっきりしていました。

CB125T シリンダーヘッド
洗浄後のシリンダーヘッド

こびりついたカーボンはなかなか取れず。灯油とブラシでひたすら磨いて、ここまできれいになりました。

前回はこれで組むことにしました。

汚れの原因について

このように2回目のエンジンOH時、完全にカーボンを取り除いてエンジンを組んだわけではないので、今回のカーボンは、過去に取り切れなかったカーボンも少なからず残っているといえます。

ちなみにこのCBTエンジンを最初にOHしたのは2015年。

2015年11月 37,526km 1回目(腰上・ボアアップ)

2017年11月 66,724km 2回目(腰上腰下オーバーホール)

2021年7月 85,494km 検証のため分解(今回)

1回目のエンジンの状態は見ていません。

だからもしかしたら、1回目のエンジンOHの時にも、シリンダーヘッドにカーボンがたまっていた可能性があります。

1回目カーボンが完全に取り除けないまま、エンジンを組む→2回目にOHした時、汚れがひどかった→今回に至った

という可能性は十分、考えられます。

もう一度、見比べてみましょう。

CB125T シリンダーヘッド
前回、洗浄後のシリンダーヘッド
CB125T カムシャフト
前回、洗浄後のカムシャフト
CB125T カムシャフト
今回のシリンダーヘッド

あらためて見比べてみると、やはりカーボンが多すぎる気がします。考えられる要因を挙げてみます。

燃焼状態の不良

原因は定かではありませんが、筆者のCBTはキャブセッティングが「濃い」状態でした。(点火系の劣化と推定してます)

CB125T エンジンカーボン
今回の分解時。排気側にカーボンがたまっていた

それに加えて直近は、短距離走行(低回転走行)の繰り返し。

85,494kmのうちラスト1,100kmは、5km程度の短距離走行を繰り返していました。

ただでさえ、CBTはエンジンが完全に暖まるまで時間がかかります。(筆者のテストでは、真冬は約30〜50分間の走行でやっと適正油温になる)

ところが短距離走行を繰り返すと、しっかり燃焼しないうちにエンジンを切ることになります。

逆にいえば、高速道路を一定の距離以上、走行した後のCBTエンジンはとても調子が良くなります。高回転を使って走行するためカーボンが焼き切れるからです。

油温が低いままの走行を繰り返すと、自然にエンジンオイル中に含まれていく水分も、減るどころか増えるいっぽう。

ひどい場合、エンジンオイルの乳化につながります。

CBTのエンジンオイルは乳化こそしていませんでしたが、短距離走行を繰り返したことによって、カーボンがたまった可能性は否定できません。

短距離走行:油温が低い→低回転で走行する→それを繰り返す→カーボンがたまる

走行距離10万キロ超のXJR400R

かなりカーボンがたまっている。

エンジンクリーナーの使用

2回目のボアアップ後は、ガソリン添加剤は使用していませんが、メーター走行距離79,790km(ボアアップ後42,000km)あたりから数回、エンジンクリーナーを使用しています。

腰上編でも触れているとおり、まさか中華製シリンダーがここまで長く持つとは思わなかったので、「そろそろ耐久テストはこれぐらいにして、もう一度、エンジンクリーンを検証してみよう」と考えたからです。

筆者の考えが、くつがえる可能性を期待して。

使用したエンジンクリーナーはこれです。

プラグを外して、エンジンクリーナー(泡)をノズルを使って注入します。

数時間から一晩ほど、放置してからエンジンをかけます。(強烈な悪臭と白煙が出ます)

しばらくアイドリング(レーシング)するか、走行します。

「さて、どんな変化があったか?」

複数回に分けてテストしたところ、とくに調子が良くなったという印象はありませんでした。まぁ、今回、エンジンを開けて納得しましたけどね。

筆者は壊れても、またエンジンをオーバーホールすればいいという気持ちでテストしました。オフィシャルな使い方ではないので、真似しないほうがいいと思います。

以上を踏まえると、「なにか一つの要因でエンジンの汚れがひどかった」というより、いくつもの要因が積み重なった結果だと感じています。

粗悪なエンジンオイルを使用したり、オイルの交換を怠ったエンジンの中は、カーボンがたまる傾向にありますが、私のCBTに関しては当てはまりません。

いいオイルを使って、3000kmごとに交換していました。

それでは、各部をチェックしていきましょう。

カムチェーンガイド

CB125T チェーンガイド
CB125Tのカムチェーンガイド

カムチェーンガイドに真一文字のクラックが入ってました(矢印の箇所)。

1回目にOHした時、新品に交換。2回目のOH(29,198km使用)では異常が見られなかったので再利用。

つまり交換後、47,968km走行したことになります。

CB750Fで「走行中に割れて刺さった」(エンジンからものすごい音がするようになります)という話を聞いたことがありますので、エンジンを開けたら交換したほうが無難でしょう。プラスチック製品なので硬化して割れやすくなります。

カムシャフトの摩耗チェック

摩耗の具合を見ていきます。目視と計測です。

CB125T カムシャフト摩耗
CB125Tのシリンダーヘッド

矢印の箇所は、カムシャフトが回転して摩擦する部分です。

CB125T シリンダーヘッド

中央部分は、前回OH時に取り切れなかったカーボンが残っています。(茶色っぽい部分)

汚れているとわかりにくいので、洗浄しました。

CB125T シリンダーヘッド
洗浄後のシリンダーヘッド
CB125T カムシャフト
洗浄した後のカムシャフト

サービスマニュアルに記載されている方法で、カムシャフトの摩耗状態を計測しました。

CB125T カムシャフト摩耗限界
CB125Tサービスマニュアルより

サービスマニュアル
使用限度:IN:27.00 mm以下交換
EX:26.50 mm以下交換

85,494km走行したカムシャフト

IN:28.07mm/27.35mm
EX:26.85mm/27.40mm

ご覧のとおり、まさかの使用限度内でした。まだまだ使えるということです。

早いものだと19,000kmで要交換という事例もあります。

バルブとスプリングのチェック

CB125T バルブスプリング

シリンダーヘッドは汚かったですが、バルブに関しては比較的、きれいな部類でした。

バルブスプリング、バルブステムの摩耗状態をチェックしていきます。

CB125T バルブスプリング
CB125Tサービスマニュアルより

バルブスプリングの使用限度は、自由長(上記写真のとおり自然な状態でのスプリングの長さ)で計測します。

サービスマニュアル
使用限度:インナ 29.0mm以上交換
アウタ 35.30mm以上交換

インナ 29.27mm
アウタ 35.84mm

いずれも要交換でした。続いてバルブステムです。

CB125T バルブステム
CB125Tサービスマニュアルより

サービスマニュアル
使用限度:IN:5.42 mm以下交換
EX:5.40 mm以下交換

IN(吸気):5.46mm
EX(排気):5.45mm

いずれも使用限度内でした。

これは計測する前にわかっていました。なぜならバルブガイドにバルブを差し込んだ状態で、全くガタがなかったからです。

バルブ仕組み
https://garage-shonan.wixsite.com/info/engineoverhaul

バルブガイドは通常、上記写真の状態でシリンダーヘッドに圧入されています。つまり固定されているわけです。

バルブは開閉するため、黄色い矢印の方向に動きます。するとステムやバルブガイドが摩耗し、ガタつきが発生することがあります(青色の矢印)。

ガタつきが発生すると、バルブがしっかり密閉することができなくなります。

ようするにパワーダウンするわけです。

CB125Tのバルブは微動だにしないほど、横方向(青い矢印)には動きませんでした。設計が古いエンジンなので、てっきりガタガタだと思っていたのですが。

バルブガイドのガタつきは摩耗だけでなく、エンジン(バイク)の生産された時期や、メーカー、車種によってバラツキがあります。

たとえば1970-80年代のバイクは、部品の加工精度が低かったり、販売台数が多かったせいか、走行距離が短くても、がたつきが発生していることがあります。

つまり、バルブガイド交換が必要なケースです。

いっぽうで、同じエンジン(CBR1000RR SC57)、ほぼ同じ走行距離でも、バルブガイドにガタが発生しているケースもあれば、正常なケースもあります。

部品の加工精度、組み付け方、走行条件など、諸条件によって変わるようです。

エキゾーストバルブ
CB750 RC42 研磨前と研磨した後

前出の6万キロ超走行した、RC42後期型(2000年後半)のバルブガイドは、ガタがありませんでした。

4ストロークエンジンの肝

バルブシートと、バルブの当たり具合を見ていきましょう。

CB125T シリンダーヘッド燃焼室
シリンダーヘッド燃焼室

分解直後の様子です。カムシャフト側はカーボンがひどかったですが、燃焼室側はまずまず。

比較的、よくある汚れ具合といえます。続いて、洗浄後の状態をチェックしてみましょう。

CB125T シリンダーヘッド燃焼室
CB125T 燃焼室
CB125T バルブシート

赤い矢印の箇所に傷が入っていました。全体的にバルブシートリングに黒い点が見られると思います。

バルブシートリングのウソ? ホント?

日本では1986年に有鉛ガソリンが全面廃止されました。それまで鉛が潤滑剤の役目をしていて、バルブシートリングの摩耗を防いでいたわけです。

そのため無鉛化に対応していないエンジンに無鉛ガソリンを使うと、「バルブシートリングが異常摩耗する」もしくは「偏摩耗する」と言われていました。たしかに有鉛ガソリンと比較した場合、そうした兆候があったようですが、だからといって劇的な早さで減るとか、そこまでの話ではないようです。

実際、筆者が見てきたエンジン60基ほどのうち、ほとんどが有鉛ガソリン時代に生産されたバイクですが、摩耗が原因でシートリングを交換したケースは一度もありません。

バルブシート修正&バルブすりあわせで、しっかり圧縮が出るからです。もちろん、10万キロ、20万キロ走り続ければ、無鉛化に対応したバルブシートリングのほうが、有鉛時代のシートリングより長持ちするかもしれません。

ただ、そこまでの距離を走ると、カーボンが堆積してエンジンのオーバーホール(バルブシート修正&バルブすりあわせ)が必要になるかもしれませんし、そもそも、そこまでエンジンが持つか? バイクが持つのか?(部品が入手できるのか)という話になります。

CB125Tバルブすり合わせ

光明丹(こうみょうたん)でバルブの当たりをチェックすると、一目瞭然です。

バルブシートの当たり面(オレンジ色の箇所)が途切れ途切れになっています。つまりバルブが密着せず、すき間が発生しているということです。

当然、パワーダウンにつながります。

このため、バルブの擦り合わせ&バルブシートカット(バルブシート修正)をおこないます。

バルブの動作と、基本性能

さきほど「バルブは、バルブガイドを通して往復運動をおこなっている」と書きましたが、厳密にいうと、バルブフェイスが摩耗しない程度にゆっくり回転しています。シートリングのカーボンを取り除くためです。

また、バルブは吸気(インテーク)、排気(エキゾースト)で大きさ・材質が異なります。

・バルブが閉じたときに混合気が漏れない

・バルブが開いたときの吸入抵抗が少ない

・耐摩耗性が高い

・軽量である

・(混合気の腐蝕による)耐食性がある

こうした基本性能が求められます。それに加えて、排気バルブは高温の燃焼ガスに耐えるよう設計されています。そのため「チタンバルブ」は一般的に、吸気バルブに用いられます。

チタンバルブは軽量というメリットがある反面、高額というデメリットもあります。

CB125Tバルブすり合わせ
バルブ摺り合わせ後

ご覧のとおり、しっかりバルブが密着するようになりました。

(このあと、新しいオーナーさんの元へ)

バルブの進化

バイク バルブ研磨

1980年代から2000年代まで、さまざまな年代のバルブを見ていると年々、軽量になっていることがよくわかる。

CBR1000RR(SC57)、GSX-R1000(K6)、ZX-10R(2011年モデル)の3車種を比較した場合、手で持った感触では、それほど大きな差は感じられない。

ところがCB750F(RC04)とSC57のバルブを比較した場合、歴然たる差があった。RC04のバルブは全体的に骨太で重さがあるのに対し、SC57はシャープで軽い。

バルブだけをとって見ても、技術の進歩を感じることができる。

シリンダーヘッドまわりの部品

ここまでをまとめると、意外と再利用可能な部品が多いことがわかったかと思います。

もちろん、車種や使用環境によって異なるのですが、筆者のCB125Tに関しては、今回の要交換部品は「バルブスプリング」「カムチェーンガイド」だけでした。

ステムシール、ガスケット類などは当然、交換します

ちなみにこれらの部品は1回目のOHの時に、カムチェーンと合わせて新品に交換しています。新品に交換後、47,968km走行して要交換となりました。

逆にいえば、ほかの部品は比較的、長持ちするといえます。

エンジンオーバーホールの現場では、カムシャフトやバルブを新品交換することはほぼ、ありません。(バルブが破損しているなど、よほどの場合のみ交換)

ほかに交換頻度の高い部品としてはバルブガイドです。

ガタが発生している場合、程度によりますがバルブガイドを交換したほうが無難。せっかくエンジンを開けているわけですからね。

逆にいうと、ガイドのガタが大きい場合、ガイド交換なしでエンジンをオーバーホールしても効果は半減。ようするに、バルブとシートがしっかり密着できていないわけですからね。

本来の状態とは、ほど遠いわけです。

もし、エンジンをオーバーホールするのであれば、(腰上に関していうと)再利用可能であっても「カムチェーンガイド」「バルブスプリング」は交換したほうがいいでしょう。

オーバーホールしてエンジンの調子が良くなれば、弱い箇所に負荷がかかるからです。

結局、あとになって修理するなら、早めに手を打っておいた方が賢明だと思います。

筆者の個人的な意見

エンジンをオーバーホールする時に大事なのは予算をケチらないこと。クランクシャフトや、カムシャフトなど、明らかに再利用できる場合をのぞいて、交換したほうがいい部品はきちんと新品にする。下手にケチると、それが引き金になって後々、トラブルが発生しやすい。

とくに旧車の場合、エンジンの生命線と言えるオイルポンプは交換したい。

エンジン寿命を決定づける最大要因

私は自分自身のバイクのエンジンを2回オーバーホールし、60基以上のエンジンオーバーホールの現場に立ち会ってきました。(それ以外の修理に持ち込まれたバイクを含めると100台以上ある)

また、ほかの記事に書いたように、実際に走行して、さまざまな検証をおこなってきました。

その上で大事だと思うことをシェアしようと思います。

ライダーが9割

私たちライダーにとっては耳の痛い話ですが、実際のところ、エンジン寿命(というよりバイク寿命)を左右するのは、乗り手だと思います。

中古車の場合、過去のオーナーの扱い方でバイクの状態が決まるのはこちらの記事でお伝えしたとおりです。

ですから中古車の場合、入手した時点で60点からスタートかもしれないし、70点からスタートかもしれません。

だとしても、そこからどれだけマイナスを減らせるか(長持ちさせられるか)は、ライダー自身によるところが大きいのです。

年々、個人売買などで、意図的に故障車を販売していると思われるケースが増えています。しかし「買った時から故障していた」というのは、また別の話なので、ここでは除外します。

すでにほかの記事でもお伝えしていますが、エンジンが壊れる原因として多いのは

1,エンジンオイルの管理ができていない
交換していない、オイル量が足りない、キャブのオーバーフローでオイルにガソリンが混じっている

2,エンジンの不調を放置して乗り続けた
気づいてるけど無視 or 気づかなかった(異音や、オイルの減り、白煙など)

3,無駄にエンジンを回す
バーンアウトさせたり、日常的に不必要な空ぶかしをおこなったり、油温を無視した走行

本来なら、防げた故障事例が少なくありません。

ほかには「自分でいじって壊す」というのも、よくあります。

・原因がわからないのにいじる→もっとひどくなる

・まちがった箇所(さわらなくていい場所)をいじる→なにも変わらない or もっとひどくなる

プロの人に言わせると、「最初に不具合が発生した時、すぐに(修理に)持ってきてくれたら、ここまでひどくならなかったのに・・」だそうです。

自分でやるだけやって、詰んだ状態でバイクショップに修理へ出すと、修理に余計な手間がかかるぶん、修理代が高くつきます。(筆者もそうした事例を数え切れないほど目の当たりにしてきました)

・メンテナンスしていない
・あつかい方が雑
・自分でいじって壊す

少なく見積もって、修理に持ち込まれるバイクの50%以上が、こうした理由によるものです。

ということは、真逆のことをやるだけで、致命的な故障を回避できる可能性がグッと上がるわけです。

もちろん、きちんとメンテナンスをおこなっていても、故障することはあります。それは仕方のないことです。そもそも20年、50年乗ることを想定して、バイクがつくられているわけではありませんからね。

しかし、日頃からメンテナンスしていれば、(4ストの場合)エンジンだけが原因で急に不動になるとか、クランクが焼き付くということはかなり少なくなります。

もちろんサーキット走行したり、何らかの改造をおこなうなど、メーカーが想定していない使い方をしたり、ノーマルの状態からおおきく仕様変更した場合、いつ壊れたり不具合が発生してもおかしくないのでご注意を。

ほかの故障原因

比較的、よくあるのはエンジン以外が原因のケースです。

電気系(バッテリー、プラグ、プラグコード、コイル、スイッチなど)、吸気系(エアクリーナー、キャブレター、インシュレーター)、マフラー(取り付けミスなど)とかですね。

どれか1つの場合もあれば、複数の要因が積み重なっていることもあります。

つまり、経年劣化による突発的な故障は仕方ないにしても、きちんとメンテナンスしたり、適切な扱い方をすることは私たちライダーが、ふだんからできることです。

本記事はエンジンをメインに取り上げていますが、タイヤやドライブチェーン、サスペンションなど、全体的にメンテナンスしていれば、バイクは5万キロ、10万キロと長持ちします。

(ワンオーナー、エンジンオーバーホールなしで8万キロ〜10万キロという方もいらっしゃいます)

逆に壊す人は、なにを乗っても壊すし、何回修理しても壊します。

(本人は「壊れた」といいますが、バイクのせいにして同じ事を繰り返せば、同じ結果になるのは目に見えています)

そういった意味で、乗り手が9割だと日々、実感しています。

筆者が実践している7つのアプローチ

1,新鮮なガソリンを使う。

2,エンジンオイルは少なくとも決められたサイクルで交換し、オイル量、色、粘り気などをチェックする。(オイルフィルターも定期的に交換する)

3,エンジンの油温(水温)に合わせた走行をする。

4,適切な暖機運転をおこなう。

5,エアフィルターのつまり、冷却水の量、水漏れやオイル漏れ、タイヤの溝・空気圧・異物がささっていないかどうか、ドライブチェーンの遊びなど、ふだんから確認する。

6,エンジンの異音、トラブルの警告表示、白煙や、匂いがきつい場合等、ふだんとちがう症状があれば、すぐプロの判断をあおぐ。(ネットでググって自己判断すると、失敗する可能性大。生兵法は怪我の元)

7,フロントフォークオイルの交換、リアサスペンションのオイル漏れ確認、各種ベアリング等の交換を必要に応じておこなう。

とにかく余計な事をしないことが重要だと実感しています。

ちなみにこのCB125Tは良質なエンジンオイルと、スーパーゾイルを使用しています。

「(エンジンが)一般的な耐久性でよければ純正オイル。平均以上を目指すなら社外オイル」といった感じです。

以下の記事にエンジンの比較写真を掲載しました。

キャブ車でよくあるトラブル?!

最後に、これもよくあることなのでシェアしておきます。

キャブ車(旧車)や、2ストロークのバイクで多いトラブルが「エンジンがかからない」というケース。

なかには修理したバイクショップに怒鳴り込んで来る人もいるそうですが、お店の人がエンジンをかけると、なんの問題もなくかかる。

で、本人がエンジンをかけようとすると、かからない。

なぜかわかりますか? 適切なエンジンのかけ方を知らないからです。

個人売買で購入したから、エンジンの始動方法を知る機会がなかったのか、購入したバイクショップで教えてもらわなかったのか、教わったけど本人が忘れたのか・・・

真相はわからないですが、バイクに問題はないし、(修理を頼んだ)バイクショップのせいでもありません。

自分のバイクなのですから、自分自身の責任です。

キャブ車は、キャブ車ならではのアクセル操作が必要です。

(ガバ開けNG。さらにいうと、負圧式か強制開閉式かによって、特性や扱い方がちがいます)

が、それを理解していない人がクレームを言うようです。

繰り返しますが、自分の無知をバイクショップのせいにしたり、バイクのせいにするのは見当ちがい。

いきなり店に怒鳴り込むなど、もってのほかです。

この記事を読んでくれているあなたは大丈夫だと思いますが、 私たちはこういうド恥ずかしい行為をしないように心がけましょう。

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