ご覧のとおり、見た目はカブっぽいです。ホンダのカブはタイでも親しまれているバイク。
本当かどうか分かりませんが、だからあえてカブっぽいデザインにしたのだとか。
海外のInstagramを見ていますと、似たようなデザインのバイクがヤマハ、スズキ、ホンダから出ています。
海外では、このタイプのバイクだけのレースもおこなわれています。
KAWASAKI LEO SE 120スペック
空冷2ストローク クランクケースリードバルブ単気筒
排気量:118.6cc
最高出力:22.5ps/8500rpm
ボアストローク:54×51.8mm
車重:97kg
エンジン潤滑方式:分離給油
点火方式:CDI
キャブレター:ミクニ VM22
トランスミッション:6速リターン
始動方式:キック
フロントタイヤ:2.50-17-38L(90/80-17)チューブタイヤ
リアタイヤ:2.75-18-42P(90/90-18)チューブタイヤ
フロントブレーキ:シングルディスク
リアブレーキ:シングルディスク
ガソリンタンク容量:4.36ℓ
ギアオイル容量:0.8ℓ
製造国:タイカワサキ
製造年:1998-2003
エンジンオイル:満タン時の航続距離 約1,900km前後
タイ王国での中古車価格 約11万円(2022年11月現在)
部品情報
海外にルートを持っているショップを通せば、手に入らなくもないようです。
販売店(カワサキディーラー)での修理・純正部品入手は期待しない方がいいでしょう。
なにしろパーツリストがありませんし、リストがなければ部品番号が検索できません。販売台数が少ないため、流用部品の情報もほぼ、見当たらない。
修理困難なバイクといえます。
タイ王国のバイクショップが純正部品をストックしていたりするので直接、部品を調達できるなら、部品代はそう高くないです。(送料が部品代と同じぐらいかかりますが)
ちなみにキャブ車・2スト・外車なので、修理してくれるショップを見つけるのは一苦労だと思います。
プラグ
NGK B5ES(LEO STARとの互換性なし)
ヘッドライトバルブ
12V25/25W×2灯
市街地走行なら街灯があるのでこれで十分。山の中とか、真っ暗闇の道をとおる場合、もう少し明るめのB2クリアのほうがいいかもしれません。
マツシマ製の中で明るさナンバー1のB2クリア
ウィンカー
12V/10W T13 クリア
テールランプ
12V18/5W
ブレーキパッド
LEO120SEには、前後とも同じキャリパーが装着されています。
そのためブレーキパッドは前後、同じ形状のものを使用します。
パッドが適合する車種
※特記事項がないかぎりフロント用
※ブレーキパッドメーカーの情報を元に作成してます
ホンダ
エイプ100 タイプD ’08
CBX125カスタム ’87
CBX125F ’93-’97
NS-1 ’93-’99
NS50R ’96-’06
NSF100 ’06-’10
NSR Mini ’00-’09
NSR50 93′-99′
NSR80 93′-99′
XR100モタード ’05-’07
XR50モタード ’05-’08
ドリーム50 ’97-’99
カワサキ
Ninja250R/ニンジャ250R ABS ’08-’09 フロント/リヤ
LEO120SE ’98-’03 フロント/リヤ
D-TrackerX ’08-
Ninja 250 SL
ヤマハ
TZ50 ’90
TZM50R ’94-’99
TZR50 ’90-’92
TZR50R ’93-/99
フロント用お勧めパッド
おおまかに、2000円台〜は純正パッド(ノーマルパッド)と同等品。
5000円台は純正よりワンランク上の制動力と、コントロール性能。
7000円、8000円以上になると、峠やサーキットなどスポーツ走行向け。10,000円以上になると、ほぼレース用、といったところです。
峠やツーリング走行向け
公道メインで、しっかり利かせたい人にはフェロード、ジクーがお勧めです。
筆者はCB150Tで両方とも使用していました。いずれも冷間時から高温、雨天など天候を問わず、安定した制動力を発揮していました。
スポーツタイプのパッドにありがちな欠点がなく、使いやすかったです。
ストリート向け
LEOのフロントで使用しているSBSブレーキパッド「SHシリーズ」
それほど飛ばさない人であれば、価格と性能のバランスがとても良いパッドだと思います。
コントロール性も良好です。
スポーツ走行向け
スポーツ走行や、レースユーザーからZCOOと同等以上の高い支持を得ているのがメタリカ。
ノーマルスペックと、レースユーザー向けのスペック3があります。
鈴鹿8耐など、長年レース実績のあるオートスタジオスキル社が開発・製造しているブランドです。
リア用ブレーキパッド
LEOはフロント・リアともにキャリパーが同じため、パッドも共通です。
ただ、フロント用で紹介したSBS HSパッドは、しっかりめに利くため、公道で使用するのであれば、5,000円台か、3,000円前後ぐらいのパッドをリア用に使うことをお勧めします。
極端に利きすぎると、リアはコントロールが難しいですからね。
筆者みたいにほとんどリアを使わない人は、利きの弱いパッドを選ぶのも手です。
SBS HFパッドや、ベスラ、RK、デイトナなどが選択肢になるかと思います。
キャリパーピストン シール
TZR/TZM、ホンダ車、カワサキ車で使用されている汎用キャリパーのため、下記の部品が適合します。
キャリパー1個分
ピストンとシールのセット
キャブレター
ミクニ VM22
あくまで見た感じの話ですが、KSR-Ⅱ B4-B6(1994-1998年)用の部品が使えそうです。
装備・仕様
31ミリの正立フロントフォークにTZR50と同じブレーキキャリパー。
フォークのダストシール・オイルシールは、オーバーホール時にNS-1用を実際に使用して確認済み。
一応、セパハンです。
カブっぽい見た目に反して、ハンドリングは若干、重め。いわゆるレプリカっぽい重さです。
メーターは、スピード、ニュートラルランプ、フューエルメーターがあって、シフトインジケーターまで付いているという豪華装備。こう見えて、6速あります。
オイルランプ
ニュートラル状態では点灯。ギアを入れると消えます。エンジンオイルの残量が一定まで減ると、点灯し続けます。
カブのようなシーソー型のペダルですが、トランスミッションはリターン式。
ペダルのつくりが悪いのか、ギア抜けするためペダルを交換しました。
プッシュキャンセル式ウィンカー、パッシングもあります。
(経年劣化で壊れました 笑)
ライトはオン・オフスイッチがあります。
なんと、ステアリングダンパーが標準装備!
タイでは道路状況があまり良くない所を3人乗り、4人乗りでかっ飛ばすので、ステアリングダンパーを付けたのだとか。(さすがに20年以上も経つと劣化していて、意味ないので取り外しました)
標準装備のツキギレーシング製サイレンサー
「レース用じゃないのか?!」と思うぐらい、凄まじい音量。(中のグラスウールが劣化しているのか?)
インプレッション
筆者は新車のLEO120SEに乗ったことがないので、あくまで現在(執筆時点)の車両コンディションで5500kmほど走ったインプレになります。
ノーマルかどうかも不明なので、その点をご理解の上、読み進めてください。
なお、タイヤの空気圧、ドライブチェーン、ブレーキフルードやパッド交換、キャブやフロントフォークのオーバーホールなど、基本的な整備をした状態で走行しています。
排気音
とにかく純正の月木チャンバー(サイレンサー)がうるさい笑
グラスウールが寿命なのか、もともと音が大きいのか・・。このご時世ですから、暖機運転は気を遣います。
サイレンサーを交換してもらいました。
ポジション
セパハンのわりに、やけに高いシート位置。足つき性は問題ありません。
ただ座った時の目線が高くて、自分の座高が高くなったような感じがします。低い目線のスカッシュと対照的です。
100kmぐらいのツーリングであれば、とくに疲労感はありません。
ブレーキ
フロントは、タイ本国での3、4人乗りを想定してなのか、法定速度域では十分な制動力があります。
前後とも、キャリパーを分解整備した上でいうと比較的、リアが強力なストッピングパワーを発揮します。
このあたりは、キャブ時代のカブと同じですね。
簡単にリアがロックします。
ただし、峠道でペースを上げて走ると、やはりフロントブレーキが少し甘い気がします。
(ゴムホースの劣化も影響してると思いますが)
私がCB150Tの4POTブレンボキャリパー&マスターシリンダーのタッチに慣れているせいもあるでしょうが、簡単にフロントがフルロックするぐらいの効きがほしいところです。
サスペンション
前後とも(おそらく)純正品で、経年劣化している割に、ダンパーもしっかり効いています。
と思ったのですが、真夏の日中に走行していると、リアサスの劣化が顕著に現れました。暑さに加えて、私が頻繁に乗るようになったせいもあるでしょう。
もともと(ダンパー)オイルは、何もしなくても劣化していきます。それに加えて熱で劣化します。
サスペンションメーカーによると
・10000km〜20000km
・1年または2年ごと
いずれかでリアサスのオーバーホールを推奨しています。
レオは私が借りた時点で16000km、しかも20年選手。劣化していて当然です。
海外のLEOを見ていると、社外品らしきリアサスに交換されていますが、残念ながらメーカー不明。機会があれば交換して、乗ってみたい気もします。
乗り続けていると、さすがにフロントがノーズダイブし始めたので、オイル交換しました。
フロントフォーク(インナーチューブ)に関していうと、メッキの質が良くないです。中華製フォークほどではないものの、国産車よりは劣ります。
リアサスペンションは流用で交換しました。
ヘッドライト
市街地であれば、左右に1灯ずつあるので、真っ暗な夜道でも不安はありません。
マツシマ社の、明るいタイプではなく、標準タイプを装着しています。
タイヤ
履いてあるタイヤがTT900GP(チューブレス)だったので、てっきりチューブレスかと思いきや、チューブ用ホイルでした。
一見スポーツタイプのホイルですが、カブと同じチューブタイヤだったようです。
前後にブロックタイヤを履かせると、クロスカブみたいにダート走行も楽しめるかなと思います。
(オンロードタイヤで走ってみましたが、けっこう楽しいです)
オンロードタイヤ
とにかくリアタイヤ(18インチ)の選択肢が少ない。
その中で、最新設計のタイヤが選べるのは、ありがたいです。
フロント用
リア用
走行性能
※執筆時点の話です
装着しているタイヤは純正指定からTT 900GPに換えられていますが、交換されてからずいぶんと時間が経過しているので、コーナーを攻めたりはできません。
超安全運転で巡行しております。なので今のところ、直線番長です。
しっかり回して、単気筒ならではの瞬発力を生かして走ると、キビキビ走れます。
市街地だと、回して走るなら2速、抑え気味で走るなら3速、といった感じです。2ストらしく回して乗るなら22.5馬力は、下道では持てあますほどです。
アクセレーションは仕様なのか、低中速セッティングです。エアクリーナーエレメントが社外品?に交換されているせいか、少し薄めという印象。
渋滞を走行しても、思ったほどプラグは被らないです。
意外と低速も平気で、10km/h以下の歩くぐらいのスピードでもエンストしません。
ガソリンタンク容量が4.36Lぐらいだったと思うので、郊外の遠出には不向きかな。燃費はリッター15kmぐらい。それに対して、エンジンオイルは1リットル以上も入ります。
後日、フロント TT900GP/リア パイロットストリートに交換して、軽く峠を攻めてみました。リアサスの跳ね具合と、フロントブレーキが気になりますが、かなりたのしめます。
いずれのタイヤも走行距離12.200km以上でも、まだまだ使えます。
15,000kmほどLEOに乗ったかぎりでは、メインのバイクがあって、サブマシンとして乗るのがいいでしょうね。
さすがにNSR50やTZM50みたいに、ガンガン峠を攻められるバイクではありませんが、カブみたいにちょっとペースを上げて走ると、楽しいバイクではあります。
(標高がそれほど高い場所でなければ、峠道で4スト250ccぐらいなら余裕で追い回せます)
操作性能はカブに似ているため、多少の悪路や道の狭い峠道なども得意です。少しぐらい、フロントやリアが滑っても平気です。
直線は、妄想ですが、法定速度を超えたあたりから風圧で車体が不安定になるので、スピードは出るものの、飛ばして楽しいバイクではないかな。
カーブはよく曲がってくれるのでとても楽しいです。
もしメインとして乗るなら、きちんとメンテナンスできる人、2スト特有の乗り方を知ってる人向けですね。
修理できるショップを探すのが大変だと思うので、間違っても初心者は手を出さない方がいい気がします。
2.4万km以上走行した感想(追記)
筆者が乗り始めた頃と比較して、あちこち整備しているため過去最高に調子がいい。
(メーター走行距離は4万キロ)
とくにキャブセッティングは、元国際A級モトクロスレーサーの手によって激変。スロットル開け始めから吹け上がりが鋭くなり、それまでほとんど使うことのなかった5速・6速が使えるようになった。
使っているオイルの恩恵で、真夏の走行でも不安はない。
後日、経年劣化でボロボロになったので、エレメントを交換しました。
LEO120SEのエアクリーナーは根本的に小さすぎるようだ。いろいろテストしたが、カバーを装着しただけで濃くなり、アクセルオンで加速しづらくなる。ところが、カバーを外しただけで不調が嘘みたいに加速するようになる。
おそらくスポンジは純正ではないと思うし、メインジェットも交換されているかもしれない。そもそもセッティングが合っていたかどうかも不明。
元の状態がわからないだけになんとも言えないが、カバーを着けた状態では濃すぎるため、この状態でキャブを調整。メインジェットも交換せずそのまま。
リアサスはダンパーが抜けきっているし、ブレーキキャリパーは前後、シールが寿命らしく片利きになりがち。
これらの点を差し引いても、走行性能はいい。
追記:リアサスペンションを交換しました。交換後のレポートは下記のとおり。
ビフォー・アフターで乗り心地の違いは?
天候:快晴
外気温:32℃
まず、またがった時に足つきが良くなりましたね。ダンパーが利いていて、フワフワしなくなっていました。※純正よりリアが5mm低くなっています市街地を走り始めるとすぐ、違いがわかりました。国道とか、大きな通りだと比較的、路面の状態が良かったりするのですが、通りから一本入った生活道路は、意外と路面の凸凹が多くて、30〜40kmで走っていても(交換前は)トランポリンみたいに跳ねていました。
荒れた路面の多い道を走っていると、けっこう腰に負担がかかるんですね。
あと、峠道や、大きなカーブだと、どうしてもリアがカーブの外側に膨らんでしまって、曲がりにくかったです。とくにバイクをカーブで切り返す時、サスが縮んだ状態から伸びるわけですが、ダンパーが抜けていると、勢いよくサスが伸びてしまって、シートから落っこちそうになるんですね。
(レオはガソリンタンクを足でホールドできないため)
わかりやすくいうと、暴れ馬に乗っているみたいな。路面の凹凸が激しいカーブだと、けっこう危ない笑
ところがリアサスを交換した後、同じ場所を走ったら全然、走りやすい。カーブでバイクを倒し混んだ際、リアが膨らむ症状が解消され、スッと寝て旋回してくれます。
そのぶん、いつもより早くアクセルを開けることができました。
低速、中速、高速カーブ、ストレート、比較的、路面状態が良いところ、悪いところ・・・
登り、下りそれぞれ走ってみましたが、総じて走りやすくなっていると思います。
タイヤの接地面をチェックしましたが、以前より端っこのほうが使えるようになっていました。ちゃんと、タイヤにトラクションがかかっているからでしょうね。
真夏の昼間の暑い時間帯に、3時間ぐらい、ほぼ連続走行していましたが、挙動が不安定になることもありませんでした。価格だけ聞くと、心配になるぐらい安いですが、ちゃんとしたサスペンションだと思います。
硬めのフロントと相まって、すごくコーナーが楽しめるバイクになってますね。
https://ameblo.jp/garage-shonan/entry-12751339791.html